2024年4月1日月曜日

ワールドクラス・FLY FISHING

 新しいシーズンが始まった。

 毎年の初釣行、最初の良いサイズを取り込む時までのドキドキワクワク感は幾つになっても変わらない。

 結果・・・・・・・・今年も良いシーズンになりそうだ。

 

 今年の初釣行は、去年までのドライフライの釣りに、新しいパターンの釣りを発見。これが昨年に増して、面白い釣りを提供してくれそうで・・・・・。

 この初釣行では、ラタングリップの素晴らしさを改めて実感した。野球選手がバットの握りの度合いを拘る様に、特に野生の大鱒とのファイト時に感じるラタングリップの硬さの中にある確かな握り心地と大鱒のファイト感触、それは野球選手がジャストミートした時の感覚に近い様に思えるのは、私だけでは無い様だ。加えて最近、皮籐の良い素材を手に入れた事で、グリップだけではなく、新しいラタン材のHEXA仕様のアイデアがチラチラしている

 先週2回目釣行は春先の大鱒を、ドライで暴れさせない様にさせる事と、6x又は5xティペットを主体に、ランディング最後のリフトアップ時に不安を一切感じさせる事のないロッド性能をデザインした7'0" #4  704 HEXA TROUTで釣った。結果は💮印。6月梅雨時期までの大鱒は704 HEXA TROUTで対応、7月からの剛力夏鱒は 7'6" #4/#5 の764 HEXA Hoagy(仮称)で今シーズン対応が良さそうで、多いに楽しみである。

 新しい釣りやクウォリティの高い素材は、新しいロッドメニューを予感させてくれる。来年のCatskill展示会用のロッドに新メニュー 704 HEXA TROUT が間に合う様だ😎


 この新作ロッドに合わせた様に、桜の4月にはアメリカからの友人Jim Dawson が、モンタナから釣りに来る。私が送った数々の超美形の大鱒の写真とHEXAバンブーロッドにモンタナの友人が食いついたのだ。


 Jimは世界のトロフィー野生鱒と、FFの本場モンタナやアイダホで本物の大鱒を数多く経験している釣り人。そんな経験豊富な彼でさえ、私の日本のホームリバー の大鱒に食い付いてくる。これは日本の本物の野生鱒がワールドクラスである事の証。

 4月のJimの目的が、日本のフライフィッシング、日本の超美形大鱒を日本のバンブーロッドHEXAで釣りたいと言うのだ。

 釣りが3日、もうI日はHEXA取材の為福岡のアキマル工房までやってくる。

 日本最高のフライフィッシング、超美形の野生大鱒を日本のバンブーロッドHEXAで、しかもドライフライ・フィッシングを堪能して貰おうと、仲間達と計画している。


 そのレポートは4月20日以降の 10DAYS  で又ご報告させていただきます。乞うご期待!!


AKIMARU BAMBOO RODS
Phone   office 092-980-2123      cell  090-8393-2427   


2024年3月1日金曜日

嬉しいNEWS 二つ😎

 昨日嬉しい電話が入った。

 通常の作業を工房でやっていた昼12時すぎ、携帯の呼び出し音。集中力の必要なコンマ数インチの6角カーボンPIIN削りの真っ只中。電話に出るものか2秒ほど迷ったが、親しい若い友人の電話だったので、スイッチを押した。

 「今よろしいですか?」よくねーけど「良いよ。どした?」

 「実は嬉しいことがあったので、我慢できなくて電話しました」アッ分かった!!

 「ウン?どしたの?何があったの?」

 「来年2025年のアメリカ・・・・・行けそうです。行きます」やっぱね!!

 「ウワー!!凄いじゃん!!」

 「興奮してしまい、つい電話しました」よくやった!!

 「それはおめでとう。人生が大きくかわるよ!素晴らしい」


 数年間彼にアメリカ行きを強く勧めて来たが、中々に彼がYESを答える事が無かった。それも分からなくは無い。日本人人生の中にアメリカの存在はほとんどの人にとって一生無縁だからだ。それ故に彼の決断は心から喜べた。大事な作業の手を休めた甲斐がある電話だっとというお話。

 


 常日頃、歳若の友人達に、日本の外に出て、数多く体験しなさいと勧めている私としては、この若い友人の決断は嬉しい限り。彼の人生にいい意味で大きな変化をもたらしてくれるだろう。来年2025年のアメリカ旅、彼の参加で又々楽しい旅になるだろう。彼には最大限の応援協力を惜しまないつもりでいる。

 今朝は今朝で、又ラッキーNEWS。

 来年4月5日の予定だったCatskill展示会開催日が良い意味で変更になった。当初、展示会開催とオープニングパーティを別の日に設定してあったのを、同じ日に変更してもらったのだ。 2025年5月24日土曜日が展示会開始日でオープニングパーティの日になった。

 このご時世、アメリカに2ヶ月の間に2回も出掛ける事など、とても無理。Catskill博物館主催の展示会という事もあり、博物館サイドの意向に全て私が合わせて来たが、時間観念に??のアメリカ人気質と私のようなせっかち日本人年寄り気質は、この半年、意思疎通の点で上手くいってるとは感じられて無かった。私にとって一番の問題点が別々なっていた展示会開催日とオープニングパーティの日時。これらを2025年5月24日同時開催に変更してくれたのだ。

 開催日時が5月24日に50日間ズレたのは何よりの幸運。5月24日ならばNew YorkからCatskillまでの車の移動も楽だろうし、展示の飾り付けも自身でチェク出来、友人達もパーティに参加出来る、Catskill釣りも数日可能だろう、5月24日展示会開始は私にとっても関係者全員にとってベストなのだ。

 展示会開催の決まって以降、去年10月からの5ヶ月、工房に籠もりっきりで頑張っているのだが、この外国での展示会対応は難しい事を痛感、ため息の連続だった。その上にオフシーズンの例年のストレス蓄積。しかしやはり神様は見ててくれたのだ。先ほどの若い子のアメリカ行き決定と展示会開催日などの変更は、気分をガラリと変えてくれた。単純な私に強いエネルギーを感じさせてくれる😎

 明日は展示会会場で流す動画の撮影日。予定の晴天予想は曇りとなったが、気分屋の私には全てが上手く動きそうな気分である。後2週間で大鱒にも会える。新作の704 HEXA 2pcも順調に作業がはかどっている。新しいフライライン 、バンブーロッド用に開発されたSYLK ラインも楽しみだ。

HARDY の名キャスターJohn Shaner の推薦してくれたコートランド 社のFlyライン。使用感が良かったらHEXA の専用ラインに決めようかと思っているSYLKとスプリングクリークブランド。このレポートも次回お知らせします。

 陽が出て来た。光の良い内にカーボンPINの6角整形作業を急ごう😎



AKIMARU BAMBOO RODS

Phone   office 092-980-2123      cell  090-8393-2427   7   





2024年2月21日水曜日

Excellent Bamboo Fly Rod に関するJimの質問 その2

  今回は、前回 10DAYS からの続きです。

 Jim Dawson からの Excellent Bamboo Rod に関する11の質問 、今回は以下のNo7~ No11の質問に対する回答です。

 7. HEXA ロッドは世界の何処の魚を釣っていますか?
 8. あなたをバンブーロッドビルダーとして駆り立てるものは何ですか?
 9. ロッドビルダーとして、どの様なビジョンを持って居ますか?
   10. あなたのロッドビルディングに最も大きな影響を与えてくれた人物は誰ですか?
 11. ロッド作りにおいて、商業的な成功は、どの位重要ですか?

 先ずは
 7. HEXA ロッドは世界の何処の魚を釣っていますか?
 HEXA Bamboo Rod の対象魚は野生の鱒です。山女魚、岩魚、アメマス、レインボートラウト やブラウントラウト 、カットスロート、ブルックトラウトなどの鱒族全般です。
 私自身と日本人友人がHEXA ロッドで釣っているのは日本全国、アメリカ、アイダホ 、モンタナ、New York、Catskill、カナダ、New Zealand  などです。
 外国人の友人と外国人のHEXAロッドのオーナー達は、イギリス、スペイン、ドイツ、ポルトガル、ニュージーランド、カナダ、南アフリカ、韓国などのオーナーがいますので、それぞれの方が自国の鱒釣りをHEXAで楽しんでおられると思います。



 8. あなたをバンブーロッドビルダーとして駆り立てるものは何ですか?
 人間本来が持っている本能としての、狩猟本能が土台にあって、その本能 = 鱒を釣りたい、だから釣る時の道具として、一番良い道具=バンブーロッドで釣りたい・・・この人間としての欲がバンブーロッドビルダーとしてのアキマルを駆り立てているのだと思います。



 9. ロッドビルダーとして、どの様なビジョンを持って居ますか?
 ビジョンね・・・???ビジョンとは
 ◉意思ある将来の見通し・・・⚫︎将来の見通し、又はまだ実現していない、どうありたいかの将来像。 更には⚫︎長期的な目標・・・・の事
 ビジョン?今これに明快に答えるのは無理。75歳になった今、今日を生きるのが精一杯😎
 37歳の時、AKIMARU BAMBOO ROD のコマーシャルとして「ギャリソンを超えた竹竿」「百年を生きる竹竿」と世間様に大法螺を吹いた。それがアキマルのプライドであり、その事をバンブーロッドビルダーとして一生のミッションとし、ビジョンとした。
 残りの数少ないバンブーロッド人生、バンブーロッドビルダーとしてのビジョンを探すのが、私のビジョンである・・・と言うのは日本の皆様への回答。

 アメリカの皆様に対しての回答は・・・アキマルの1987年のコマーシャルコピー「ギャリソンを超えた竹竿」「百年を生きる竹竿」の2項目をビジョンとして、意識しています。
 ●可能な限りHEXAバンブーロッドをMr.Garrisonのバンブーロッドの精度まで高めたい事。
 ●HEXAバンブーロッドを可能な限り進化させ、百年生きる竹竿に仕上げたい。その為のHEXA製造技術や思想を次の世代に伝える事により、百年生きる竹竿を実現させたいと思っている。その為の有望な若手職人を二年前から育成。そのバンブーロッドビルダーとしての才能に驚喜しているところである。

 10. あなたのロッドビルディングに最も大きな影響を与えてくれた人物は誰ですか?
 バンブーロッドビルディングの基本を教えてくれたユージーン三田さん。
 そして憧れのレジェンドMr.Garrisonであり、2023年、現実に彼のパーソナルロッド 7'6" 2pc HEXAを作り、高評価をくれた 現役のレジェンド Mr. Hoagy B.Carmichael 。
 ロッドデザインと生きるエネルギーに大いなる影響を受けた Mr. Tom Morgan。
 そして私にFly Fishing とバンブーロッドの素晴らしさを教えてくれたアッシー事、芦澤一洋さん。
 そして何より影響を与え続けているのは人ではない、私の対手、美しい大型の野生鱒である。

 11. ロッド作りにおいて、商業的な成功は、どの位重要ですか?
 この質問は、バンブーロッドにとっても、職業人としてのバンブーロッドビルダーにとっても、非常に重要な要素を含んでいると思います。
 まず40年間の個人的経験からの意見です。世間ではアキマルバンブーロッドは値段が高いと判断されています。私自身もマーケットの平均価格からすれば高い事は分かっています。しかし本当に良いロッドを作ろうと思うと、時間と費用、エネルギーが必要です。
 1988年2回目のアメリカ釣り旅で、バンブー・フライロッドは鱒釣りの最適道具なのだと確信しました。
 その本物道具を“ 日本人の私” が作る為には本物の大型野生鱒で正しいフィールドテストをアイダホやモンタナの川で繰り返し、そのロッドデザインの正解を探す作業がベストである事を確信したのです。(日本のフライフィッシングの主体鱒・山女魚はサイズが小さく、稚拙なロッドでも釣れる事で、確実なデータ取得が難しく、バンブーロッドの正しいフィールドテストが成立し難いのです)
 本物のExcellent Bamboo Rod に必要な要素は、まず高品質の竹材やロッド部品。ロッドを作り上げる為の良質の経験の伴った製作スキル。作ったロッドを実際のフィールドで良質のテストをする事、テスト釣行を多数回の行う為の全てのエネルギー。
 プラス、ビジネスとして成功させる為のコマーシャル費用などなど。


 完成まで期間は、長いものは10年の時間が掛かったロッドもあり、上記複数回のフィールドテストと、複数回、複数本のテストロッド製作コストが、当然ロッド原価に含まれます。
 このどれが欠けてもExcellent Bamboo Rod はアキマルには作れません。
 これらの現実的経費を生み出せる、最低限の商業的成功は必要だと考えます。

 世間ではバンブーロッドビルディングという仕事は清貧の職業だという声も聞こえますが、私はその声にはNOです。本物のExcellent Bamboo Rod を製作し、それをビジネスとして成立させる事が出来ないとExcellent Bamboo Rod =本物のバンブーロッドという素晴らしい道具は世の中から消えていくだろう危惧を覚えます。

 という極めて個人的な、尚且つ我儘なアキマルのバンブーロッド・ビルディング志向、嗜好です。

 後25日、ストレスシーズンが終了し、健康的なトラウトシーズンが始まります。もう少しの我慢😎

 加えて今年4月にはJim Dawsonが日本に釣りにやって来ます。勝手知ったる私のホーム川、ほぼ間違いなく大鱒を釣らせる事は出来ますが、彼が知っているモンタナやアイダホ釣りのロケーションとの違いにびっくりする事でしょう。又日本のFly Fishing世界の一端を、外国人の彼が垣間見る事で、日本人とは又違った感想を抱くかもです。それも含め、日本のFly Fishingの一端をJimに紹介出来るのを楽しみにしています。



AKIMARU BAMBOO RODS
Phone   office 092-980-2123      cell  090-8393-2427   


2024年2月13日火曜日

Excellent Bamboo Fly Rod に関するJimの質問

  モンタナの友人 Jim Dawson が 4月に私の日本のホームリバー に、釣りにやって来る。

 4月の日本の大鱒をドライフライで、尚且つアキマルバンブーロッドHEXAで釣る事、アキマル工房を尋ね、アキマルバンブーロッドHEXAの取材をしたいとの希望なのだ。重ねて、皆様既にご存知の2025年4月から開催されるCatskill Fly Fishing Center & Museum  = Catskill 博物館のAKIMARU HEXA Exhibition のコマーシャルにこの記事を使いましょう・・・との 提案もあっているのだ。" 持つべきは友 " Catskill Exhibition  の応援は大歓迎 😎  

 Jimはモンタナ、アイダホ を中心に大鱒を釣りまくっている釣り仲間で、サンフランシスコの名門釣り倶楽部、ゴールデンゲート・キャスティングクラブの主要メンバー、その昔京都で仕事をしていたこともある親日家なのです。しかし日本の大鱒釣りは初めてなので、必ずヒレピンの日本の大鱒を釣らせようと思ってます。


 雑誌記事として、日本のFly Fishing、日本のバンブーロッドHEXAの物語を描くにあたって、アキマルとアキマルバンブーロッドのバックグラウンドを知りたいからと、以下の取材質問がJim から送られて来ました。

 

  1. When and, more importantly, why did you decide to begin building bamboo fly rods?
  2. What was your background prior to becoming a rod builder?  Schooling, technical training, etc.
  3. Where did you grow up and when did you begin fly fishing?
  4. What is the single most important element, in your opinion, in building a bamboo fly rod?
  5. What makes the difference between a good bamboo fly rod and an excellent bamboo fly rod?
  6. How many rods are you able to build in a year?
  7. Where in the world has AKI’s Hexa fly rods caught fish?  Japan, NZ, Kamcatcha, UK, US, etc?
  8. What drives you as a bamboo rod builder?
  9. What vision as a rod builder do you follow?
  10. What or who have been the greatest influences in your rod building?
  11. How important is commercial success in your rod building?


 1. 何時、何故バンブーロッド製作を始めようと思ったのですか?
 2. ロッドビルダーになる前の経歴、学校教育、技術研修などは?
 3. あなたは何処で育ち、何時、フライフィシングを始めたのですか?
 4. バンブーロッドを製作する上で、最も重要な要素はなんですか?
 5. Good Bamboo RodとExcellent Bamboo Rod の違いはなんだと思いますか?
 6. 1年に何本のバンブーロッドを製作出来ますか?
 7. HEXA ロッドは世界の何処の魚を釣っていますか?
 8. あなたをバンブーロッドビルダーとして駆り立てるものは何ですか?
 9. ロッドビルダーとして、どの様なビジョンを持って居ますか?
   10. あなたのロッドビルディングに最も大きな影響を与えてくれた人物は誰ですか?
 11. ロッド作りにおいて、商業的な成功は、どの位重要ですか?

 改めてバンブーロッドビルダー・アキマルとして答えなければいけない、非常に興味深い 11の質問です。まずは1 の質問から順に2回に分けて、私の考えを 10DAYS で公開も兼ね、お答えして行こうと思います。
 只、回答の対象がアメリカやユーロ及び全世界の読者に及びますので、10DAYS 購読者の皆様には少し、遠回りな回答もありますが、その点ご了承ください。

 1. 何時、何故バンブーロッド製作を始めようと思ったのか?
 1981年10月に現在のAKIMARU BAMBOO RODSの前身 Fishing Tackle Maker AKIMARUを創設開業。この時代、1987年の夏までオリジナルのグラファイト・フライロッドを製作販売していましたが、そのグラファイトロッドはアキマルサイドが行う作業はロッドデザインとアクション決めのみ、ロッドの製作そのものは他社のメーカーに発注していました。しかし他社、他人が作るフライロッドは、製作ロッドの精度に関しての不満が蓄積されて行きました。その向こうでバンブーロッドの美しさと、その道具としての機能性に強く魅せられていました。そして、時間の経過と共に、バンブーロッドを自分自身で作りたいとの気持ちが強くなって行きました。そんな心境の中で、幸運にも1985年春、アメリカ人の作った美しいバンブーロッドに出会ったのです。
 それがアメリカ人ビルダー・ユージーン三田さんの作ったオイルフィニッシュ仕上げの素晴らしいバンブーロッドでした。1987年と1988年の各3ヶ月間シアトルで、三田さんにバンブーロッドビルディングの基礎を教わりました。
 その後最初のオリジナルバンブーロッド 山女魚用 7'4"  #4  2pc  IDENO Special  が 4年後に完成しました。
 優れた道具=優れたFly Fishing バンブーロッドで、美しい野生鱒を、美しく釣りたい。
 これがアキマルバンブーロッドの原点思想です。
 
 2. ロッドビルダーになる前の経歴、学校教育、技術研修などは?
 今の仕事の前身は、会社勤めでグラフィックや洋服のデザイナーでした。美術大学を中退した後、デザインの専門学校でクラフトとパッケージデザインを修学。その時に身につけたモノ作りの技術や考え方が、バンブーロッド作りに大きく影響しています。
 因みに、学生時代に教えて頂いた日本工業デザインの先駆者・柏崎先生の教えが今だにバンブーロッド製作やモノ作り精神の基礎になっています。
 「何が言いたいのか、何を伝えたいのか、その事が物作りで一番大事」 
 この教えはバンブーロッドを製作する上でも、一番拘るポイント。
 どんなアクションで、どんな魚を、このロッドでどんな風に釣りたいのか?釣らせたいのか?
 自分はどうありたいのか?自分と家族を含めた私たちはどうありたいのか?・・・・全てこの考え方を踏まえています。私の生き方、人生そのものにもなっています。



 3. あなたは何処で育ち、何時、フライフィシングを始めたのですか?
 日本の南側、福岡県で生まれ育ちました。Fly Fishing を始めたのは、1974年25歳の頃でした。当時山中をドライブするのが好きで、隣県の山中で Fly Fishingをやっている人と出会い、Fly Fishingに興味を持ちました。その後日本の Fly Fishingのパイオニア、芦澤一洋さんと一緒に釣りをする機会が多くなり、Fly Fishingに夢中になり、仕事として Fly Fishingの世界で生きて行きたいと考える様になったのです。

 4. バンブーロッドを製作する上で、最も重要な要素はなんですか?
 私個人についての見解を先ずはお答えします。
 私がバンブーロッドを製作する上で重要な事は幾つもありますが、私はオリジナルデザインのバンブーロッドしか製作しません。
 そのオリジナルのバンブーロッドを製作する上で、最も意識するのはアキマルバンブーロッドは鱒釣りの為の道具だという事。
 そのロッドで想定している範囲の最小から最大サイズの鱒を、上手くランディング出来る事、それはフッキングした鱒を暴れさせないロッドアクション、イクオール野生鱒の荒々しいファイトをロッドが上手く吸収してくれるデザインのロッドである事。
 加えて、投げやすく、使い易い事、美しい事、長く使える事などの要素を備えている事は道具としての当然の条件です。
 又別の重要要素は、そのロッドで納得の行くまでのフィールドテストをやる事。その為には良い鱒の住む、良い釣り場が重要ですし、フィールドテスターが良い釣りスキルを持っていて、正確な判断が出来る事。



 5. Good Bamboo RodとExcellent Bamboo Rod の違いはなんだと思いますか?
 質問の基準が分からないので、回答は難しいですが、私の個人的見解でお答えします。
 私は他人が作ったバンブーロッドに余り興味がない事から、他人が作った Good Rod や Excellent Rodと言われる物を殆ど知りません。
 私は主にお客様からオーダーのあったバンブーロッド製作を仕事として作っています。
 私は自分の製作するバンブーロッドを常に、Excellent Bamboo Rodにするべく、自分の持てる最大限のスキルで製作しています。そのバンブーロッドを製作する上で、デザイン上の判断基準は他者の意見ではなく、自分の意思と野生の鱒がくれる釣り時の回答です。
 私の意識するExcellent Bamboo Rodは 質問4の回答と重なりますが、そのロッドで想定しているサイズの最小から最大鱒をスムーズにランディング出来る事。美しい最上級の竹材を使って、私のベストの技術で製作した美しい道具である事、投げやすく使い易い事、長く使える事。
 そしてそのロッドの使い手が最大限の満足を得られるロッドである事。

 6. 1年に何本のバンブーロッドを製作出来ますか?
 シングルティップだと年間30本位は製作できるでしょう。
 日本のお客様は殆どハイグレードのシングルティップHEXAのオーダーになります。
 しかし2011年から2019年までと、このコロナ騒動の収まった、2年前からアメリカやユーロ圏からのHEXAのオーダーが多くなってます。これらの外国からのオーダーロッドは殆どが 2tips 仕様のハイグレードHEXAになります。これら2tipsロッド製作が絡むと、シングルティップ18本に2tips ロッド6本製作位が年間製作数の限界でしょう。




 今日の回答は6番までにしておきましょう。追加意見として・・・・
 4. バンブーロッドを製作する上で、最も重要な要素はなんですか?この質問に関しては、私以外の人がバンブーロッドを製作する場合の重要要素は、別の要素が重要だと思います。その理由は私が20人近くの若い人にバンブーロッドビルディングを教えた経験からの感想ですが・・・・。
 私以外の人が Fly Fishing バンブーロッドを製作する上で必要なものは、まずFly Fishing が誰よりも好きだという事。キャスティングが上手い事、そして釣りが上手い事は最低条件。加えて良い釣りの経験が豊富で、物作りが好きだという事などの要素にプラス、創意工夫・努力・実行出来る才能が必要だと思います。
 40年近くバンブーロッド製作をして来た時に、見えた事は・・・・確かに少し勉強すればバンブーロッドの形は出来ます。しかしそれはバンブーロッドの形をしたものにしか過ぎません。
 バンブーロッドをExcellent Bamboo Rod に近づける為には、やはり創意工夫、努力、実行出来る才能と良質の釣り経験が多く必要だと思えます。

 Jimの質問 No7から11までへの回答は次回 10DAYSで。



AKIMARU BAMBOO RODS
Phone   office 092-980-2123      cell  090-8393-2427   



 


2024年1月31日水曜日

日本人の使う、大鱒ロッド

  後30日で又シーズンが始まる。昨年10月以来のオフのストレスから解放される。

 準備は整っている。昨年9月にHargy  B.Carmichael に絶賛してもらった764-2 HEXA  7'6"  #4  2pc HEXA と同じモデルで、今シーズンをスタートしようと思っている。狙いはやはりヒレピンの大鱒。4月にはアメリカの友人 Jim Dawson もモンタナから釣りに来る。6月のHenry's Forkの滞在ロッジが取れなかったことからアイダホ行きは諦めているが・・・代替えの北海道???

 まずは現況のストレス感を、抑えて抑えて、3月半ばには爆発させ、初釣行から60cmアップを狙う。



 ショートロッド 3pc  ROX で大鱒ロッドのデータはかなりの量、集積出来た。
 今年は日本の大鱒釣り、日本人の使うベストの大鱒ロッドは何か?
 体の大きく無い日本人が使いやすい、軽くて、シャープで、尚且つ60cmアップの野生鱒を、5x,4xで取れるしなやかさを兼ね備えた大鱒ロッド。その答えを探し出したいと考えている。


 今シーズンも  10DAYS  宜しくお願いします。



AKIMARU BAMBOO RODS
Phone   office 092-980-2123      cell  090-8393-2427