2011年10月12日水曜日

アキマル30年の相棒 その2


What is this?
UFOです…………うそです。


20年ほど使い続けている西洋押し鉋です。鉋を横から見るとUFOになるのです。
20年以上使い続けている鉋のサイドプレートは手垢と錆で貫禄と味が出て良い感じです。
物語を語れるほどの物では有りませんが、只この鉋の、この方向からの写真が好きなだけです。面白いと思いません。和鉋とは大きく姿が違うでしょ。


スタンレー社の金属製押し鉋。バンブーロッドのブランク竹材を削っています。
20数年でロッド450本分、竹棒にして約6600本の竹棒を3角形に削り続けている名刀ならぬ名鉋です。刃は研いで研いでずいぶん短くなりましたがまだまだ使えます。写真左に見えるネジを回して刃の出し入れをするのですが、そのネジに取り付けてあるワッシャーが逝かれない限り、永遠に近く使えると思います。恐らく今62歳の私より長生きすると思いますので、後を継いでくれる弟子君に譲りたいと思っています。それにしてもよく考えられた形です。サイドプレートとネジのTOP(画面右)のくぼみ、掌にぴったり収まる半球状の刃押さえ。この3点がオーダーメイドのようにドンピシャで手の平に吸い付くように収まるのです。


重さも20数年使って791g(刃が短くなって軽くなっている)と手頃。今はセカンダリーテーパーとファイナルテーパー削りしか使っていませんがが、ロッド200本位までははラフ削りもこの鉋でやっていました。1日の作業時間が8時間、削り続けていても疲れることが無かった事を思い出します。

スカスカ削れ、使っていて楽しくなる道具です。とりたてて派手なエピソードや物語はありませんが、タフな事、使いやすい事。これが一番。鉋は竹棒を3角に美しく削る事が仕事なのですから。

写真画面には映っていませんが、刃が出る鉋本体・底面は鏡のように輝き、
紛れも無く我が工房の主役です。