Per Brandinの名前はバンブーロッド好きならば、その名を知らない人はいないと言って良いほどのビッグネーム。その噂通り、彼の作ったロッドの中の特に凄い1本にお目にかかった事がある。
そのロッドの凄さの度合いは、バンブーロッドビルダーの私をして、自身で使うロッドとして欲しいと思わされ、魚を掛けたくなるロッドだったのを覚えている。
今でもPer Rodの新品ロッド、いや程度の良い物ならば中古ロッドでも良いのだが欲しい。まあリタイアしたPerにオーダーしても、まずOKの返事をくれないだろうと鼻から諦めているが・・・。
Perはちょっぴり皮肉屋で職人気質丸出しの頑固なビルダー。だがやはりその名の通りカリスマ性もあり、人間的にも器の大きな、気さくなアメリカ人である。私と彼は歳も近く、2011年から毎年1回Henry's Forkのイベントで会い、お互いのロッドを振り比べ、その良さを理解し、その上でロッドの好みが合う事から3年前から共同作業をやっている。ここ数年のPerの仕事、E.C.Powell 本著作作業のお手伝いだ。
2017年共通の友人Tom Morganの突然の訃報があり、モチベーションの下がった私を元気つける意味で、ロッド実験検証を一緒にやってみないかとPerが提案してくれたのだ。
Perが私のオリジナルHEXAバンブーフェルール・ロッドの考え方に大いに興味を持っており、Perのロッド志向の原点E.C.Powell理論の実証実験をHEXAを通じてやろうやとの提案だった。
E.C.の理論をベースにしたPerのオリジナル8'0" #3 2pc のテーパー(トンキン製、メタルパイプジョイントロッド仕様)を彼が私に送ってくれた。そのデータを私が一旦HEXAテーパーに落とし込み、それを私の日本竹WATAKEで作ってみようやとの趣旨だった・・・Per自身が言葉にした訳ではないが、E.C.の理論はまず正しい。だからそのテーパーで出来たHEXAが良かったら、HEXAも本物だよ・・・と言ってるように私は感じ、一気にやる気が出てきたのを覚えている😁
そしてPer Brandin と実験検証作業の上で完成したロッドが、 8'0" 3番の2pc 803HEXA 。
今までのアキマルロッド以上にスリリングな、山女魚釣りにでも行けそうなしなやかさの中に、腰のある、シャープな8'0" の3番ロッド。
去年2019年のHenry's Forkはこの803 HEXAで最高にエキサイティングなマッチザハッチが楽しめた。
当然PerにもHenry's Forkのバンブーロッド・イベント会場で振って見てもらい、その時のPerの満足げな表情をはっきりと覚えている。
Per Brandin ロッドが欲しいのだが、先立つものも無いし、彼もOKしないと分かってるから諦めている。
この803をHEXAで完成させた事で、Per B randinのスピリットの一端は理解出来た。
この経験で、今まで以上にPerの凄さを認識出来た上に、私のHEXAバンブーフェルール・ロッド理論をPer Brandinという最高のフィルターを通し、証明出来た。この事が私にとって一番の収穫だった。
きっかけを作ってくれた天国のTom Morganに感謝!!
その後AKIMARU HEXAのデータとして、従来のアキマルアクションをG typeとし、別途 E typeの表示を開始した。
E type とは803HEXA系統のプログレッシブ・ティップアクション。
この803のテーパーデザインとは別の2種のアクションが、E.C.Powell理論 =Per Brandinにはあるようだ。
下写真は803 HEXA。 803 HEXAロッド詳細は 2018年6月14日付け および 2018年8月26日付けのアキマルブログ 10DAYSをご参照ください
下写真が803 HEXAのロッドベンディング。
Per Brandinとの新しいHEXA
2019年夏、Perが私のリクエストに答えて、彼のオリジナルテーパーを新たに送ってくれた。
私と実験製作した 803HEXAの完成度に好感を持ち、私の実力を認めてくれた上で、 オリジナルの8'3” #4weight line 2pcのテーパーを又送ってくれたのだ。
テーパーグラフからすると、これは803とは別のE.C.Powell理論がベースのようだ。
(この理論の詳細は今年2020年 PerのE.C.Powell 本かが完成、発売となるので、是非ご購入してください。本の詳細は、Perに確認後次回の 10DAYS でおしらせします)
この834 テーパー話も、きっかけはTom Morganの生前のアドバイス。
「アメリカの市場でビジネスを考えるならばメニューに8’0”以上の長さで、#4か#5weight Lineで、強風の中でもコントロール出来るウェスタンアクションのロッドがあった方が良いよ」と私に教えてくれていた。それをTomの会社を売った後、Tom と一緒に作ろうぜと言っていたが、実現できないままTomが他界。結局、Tomの言っていたその長モノロッドの具体的なアクションや絵は分からずじまい。
8’以上の長モノロッドで#4 か #5 ラインの良いアクションのロッドで私が知っていたのは、やはり唯一、Per Brandinの8’3” #4 weight line 3pc ロッドのみだった。
私は歴史的名竿と言われるロッド群や他人が作ったバンブーロッドには、あまり関心もないし、キャスト出来ても感じる事は余り無いのだが、10年ほど前、HFの主レネ・ハロップの個展会場でたまたまみたのがPerの8'3" #4 3pc。この時の身震いするほどの感動を今も思い出す。
去年の夏、その事を思い出し、駄目元位の軽い気持ちで、Perの8’3” #4 か#5 のオリジナル・テーパーデー送ってくれない?とメールしたら、いとも簡単に8'3" #4 2pcのテーパーを送ってくれた。
その後、この8’3” #4 2pc メタルフェルール製、トンキン竹仕様のデザインを、HEXA仕様に落とし込み、 WATAKE製で製作している。
しかも待望の3pc HEXAが間も無く完成する。
Perには3pcの事はまだ言ってない。
Perも前回の8’0” #3 2pc HEXAの作業の中から、HEXAの完成度を大いに気に入ってくれているので、次の3pc HEXAで彼をもっと感激させようと思っている。
6月のCatskill旅でPerと一緒に釣るので、それに間に合わせるべく頑張ってる。
“ 改めて、ここまでの事、バンブーロッドビルダーの幸せを届けてくれた亡き師 Tom Morganに感謝します ”
下が3pc HEXAの完成予想図。
今春から HEXAは新しい16,3mm直径の銘木スペーサーとPocket Cap & Ring 金具のデザインに変更する。
803 HEXA ロッド詳細 および新作の 3pc HEXA詳細は、お電話かメールにて直接アキマルに御尋ね下さい。
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