2024年2月21日水曜日

Excellent Bamboo Fly Rod に関するJimの質問 その2

  今回は、前回 10DAYS からの続きです。

 Jim Dawson からの Excellent Bamboo Rod に関する11の質問 、今回は以下のNo7~ No11の質問に対する回答です。

 7. HEXA ロッドは世界の何処の魚を釣っていますか?
 8. あなたをバンブーロッドビルダーとして駆り立てるものは何ですか?
 9. ロッドビルダーとして、どの様なビジョンを持って居ますか?
   10. あなたのロッドビルディングに最も大きな影響を与えてくれた人物は誰ですか?
 11. ロッド作りにおいて、商業的な成功は、どの位重要ですか?

 先ずは
 7. HEXA ロッドは世界の何処の魚を釣っていますか?
 HEXA Bamboo Rod の対象魚は野生の鱒です。山女魚、岩魚、アメマス、レインボートラウト やブラウントラウト 、カットスロート、ブルックトラウトなどの鱒族全般です。
 私自身と日本人友人がHEXA ロッドで釣っているのは日本全国、アメリカ、アイダホ 、モンタナ、New York、Catskill、カナダ、New Zealand  などです。
 外国人の友人と外国人のHEXAロッドのオーナー達は、イギリス、スペイン、ドイツ、ポルトガル、ニュージーランド、カナダ、南アフリカ、韓国などのオーナーがいますので、それぞれの方が自国の鱒釣りをHEXAで楽しんでおられると思います。



 8. あなたをバンブーロッドビルダーとして駆り立てるものは何ですか?
 人間本来が持っている本能としての、狩猟本能が土台にあって、その本能 = 鱒を釣りたい、だから釣る時の道具として、一番良い道具=バンブーロッドで釣りたい・・・この人間としての欲がバンブーロッドビルダーとしてのアキマルを駆り立てているのだと思います。



 9. ロッドビルダーとして、どの様なビジョンを持って居ますか?
 ビジョンね・・・???ビジョンとは
 ◉意思ある将来の見通し・・・⚫︎将来の見通し、又はまだ実現していない、どうありたいかの将来像。 更には⚫︎長期的な目標・・・・の事
 ビジョン?今これに明快に答えるのは無理。75歳になった今、今日を生きるのが精一杯😎
 37歳の時、AKIMARU BAMBOO ROD のコマーシャルとして「ギャリソンを超えた竹竿」「百年を生きる竹竿」と世間様に大法螺を吹いた。それがアキマルのプライドであり、その事をバンブーロッドビルダーとして一生のミッションとし、ビジョンとした。
 残りの数少ないバンブーロッド人生、バンブーロッドビルダーとしてのビジョンを探すのが、私のビジョンである・・・と言うのは日本の皆様への回答。

 アメリカの皆様に対しての回答は・・・アキマルの1987年のコマーシャルコピー「ギャリソンを超えた竹竿」「百年を生きる竹竿」の2項目をビジョンとして、意識しています。
 ●可能な限りHEXAバンブーロッドをMr.Garrisonのバンブーロッドの精度まで高めたい事。
 ●HEXAバンブーロッドを可能な限り進化させ、百年生きる竹竿に仕上げたい。その為のHEXA製造技術や思想を次の世代に伝える事により、百年生きる竹竿を実現させたいと思っている。その為の有望な若手職人を二年前から育成。そのバンブーロッドビルダーとしての才能に驚喜しているところである。

 10. あなたのロッドビルディングに最も大きな影響を与えてくれた人物は誰ですか?
 バンブーロッドビルディングの基本を教えてくれたユージーン三田さん。
 そして憧れのレジェンドMr.Garrisonであり、2023年、現実に彼のパーソナルロッド 7'6" 2pc HEXAを作り、高評価をくれた 現役のレジェンド Mr. Hoagy B.Carmichael 。
 ロッドデザインと生きるエネルギーに大いなる影響を受けた Mr. Tom Morgan。
 そして私にFly Fishing とバンブーロッドの素晴らしさを教えてくれたアッシー事、芦澤一洋さん。
 そして何より影響を与え続けているのは人ではない、私の対手、美しい大型の野生鱒である。

 11. ロッド作りにおいて、商業的な成功は、どの位重要ですか?
 この質問は、バンブーロッドにとっても、職業人としてのバンブーロッドビルダーにとっても、非常に重要な要素を含んでいると思います。
 まず40年間の個人的経験からの意見です。世間ではアキマルバンブーロッドは値段が高いと判断されています。私自身もマーケットの平均価格からすれば高い事は分かっています。しかし本当に良いロッドを作ろうと思うと、時間と費用、エネルギーが必要です。
 1988年2回目のアメリカ釣り旅で、バンブー・フライロッドは鱒釣りの最適道具なのだと確信しました。
 その本物道具を“ 日本人の私” が作る為には本物の大型野生鱒で正しいフィールドテストをアイダホやモンタナの川で繰り返し、そのロッドデザインの正解を探す作業がベストである事を確信したのです。(日本のフライフィッシングの主体鱒・山女魚はサイズが小さく、稚拙なロッドでも釣れる事で、確実なデータ取得が難しく、バンブーロッドの正しいフィールドテストが成立し難いのです)
 本物のExcellent Bamboo Rod に必要な要素は、まず高品質の竹材やロッド部品。ロッドを作り上げる為の良質の経験の伴った製作スキル。作ったロッドを実際のフィールドで良質のテストをする事、テスト釣行を多数回の行う為の全てのエネルギー。
 プラス、ビジネスとして成功させる為のコマーシャル費用などなど。


 完成まで期間は、長いものは10年の時間が掛かったロッドもあり、上記複数回のフィールドテストと、複数回、複数本のテストロッド製作コストが、当然ロッド原価に含まれます。
 このどれが欠けてもExcellent Bamboo Rod はアキマルには作れません。
 これらの現実的経費を生み出せる、最低限の商業的成功は必要だと考えます。

 世間ではバンブーロッドビルディングという仕事は清貧の職業だという声も聞こえますが、私はその声にはNOです。本物のExcellent Bamboo Rod を製作し、それをビジネスとして成立させる事が出来ないとExcellent Bamboo Rod =本物のバンブーロッドという素晴らしい道具は世の中から消えていくだろう危惧を覚えます。

 という極めて個人的な、尚且つ我儘なアキマルのバンブーロッド・ビルディング志向、嗜好です。

 後25日、ストレスシーズンが終了し、健康的なトラウトシーズンが始まります。もう少しの我慢😎

 加えて今年4月にはJim Dawsonが日本に釣りにやって来ます。勝手知ったる私のホーム川、ほぼ間違いなく大鱒を釣らせる事は出来ますが、彼が知っているモンタナやアイダホ釣りのロケーションとの違いにびっくりする事でしょう。又日本のFly Fishing世界の一端を、外国人の彼が垣間見る事で、日本人とは又違った感想を抱くかもです。それも含め、日本のFly Fishingの一端をJimに紹介出来るのを楽しみにしています。



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