来る10月1日2日 岡山県湯原のニジマス自然釣場で開催するアキマル恒例の鱒談会。新作のROX ショートロッドをはじめ、アキマルのオリジナルバンブーロッドをお披露目する。中にあなたのお好みに合うバンブーロッドが何本かある事でしょう。是非実際にキャストしてみてください。
今日はバンブーロッド機種選びにあたって、良い選択のお手伝いになる様、アキマルの考え方をお知らせします。
先ずは目的のロッドがある方は、そのロッドをキャストして見て下さい。キャストにあたってはあなた個人のライン、リールなどでやられる事。もちろんリーダー・ティペットの仕様もあなたのプライベート仕様がベスト。
目的ロッドの無い方は、先ず見た目の印象から、気に入った外観のロッドを軽く素振りをしてみると良いと思います。鱒談会ではアキマルやスタッフに声を掛けて、相談されるのが一番。気軽にお声掛けください。
鱒談会手前で、アキマルバンブーロッドの以下の豆知識を知っておられるとスタッフとの会話がスムーズに進むと思います。
バンブーロッドの真理と思想
其の1 竹素材・・・・・・中国産のトンキン竹が、バンブーロッド世界市場の中心材料。加えて竹の成分分析表まで添えて、ベトナム産トンキン竹の優秀性を唱える業者もヨーロッパにいる。私もトンキン竹をメイン素材として使ってる期間が初期の20年ほど続いていたが、シミや傷、曲がりの無い、私が求めるハイクォオリティのトンキン竹は日本の通常業者からはほぼ入手困難、極ごく親しい業者に特別に内緒で選ばせて貰い購入したり、アメリカの師匠三田さんに必要分だけセレクト後の良材を送ってもらってた。しかし中々に上手い供給が追いつか無かった。其の良材入手困難の理由から別の竹材を国内に探していく中で、バンブーロッド構造がソリッドロッドから現行のセミホローロッドに変更する時代が重なり、トンキンではない日本の WATAKE にセミホロー構造の適性を見つけ現在に至っている・・・・・。その他孟宗竹や、ウサン竹や淡竹など国内産竹をいくつか使ってみたが、今一自分が求めるロッド適性と言う観点から違和感が拭いきれず、唯一好相性だったWATAKEを選び、今に至っている。
其の二 製作者の経験と技術・・・・・もちろん竹素材も大事な要素ではある。しかし、それより何より製作者の釣りの技術、釣りセンス、そして良い釣り経験、これが一等大事。その上で優れた製作技術と表現のセンスで作り上げられたロッドがまず最低条件。
加えてベストは、其のロッドの使用者の釣りの技術やセンスが、良い状態でマッチング出来た時に初めて、真のバンブーロッドという道具になる。アキマルの意図するバンブーロッドはこれ以上でもこれ以下でもない。
其の三 鱒の答え・・・・バンブーロッドの形をした物は沢山ある。本物のバンブーロッドの答えは本物の大鱒が証明してくれる。良型鱒は設計の拙いバンブーロッドでは取れない。良いサイズの鱒が、ビルダー想定の釣りで、気持ち良く取れて初めて其のバンブーロッドが良しとなる。加えてその良しの最終判断はオーナーである使い手が感じる事。此処が難しいところ、製作者の思想と使い手のオーナーの思想を上手くビルダーがすり合わせてやれるかどうかなのだ。作り手と使い手とそして良型鱒、これらの総合的・相性の向こうに本物のバンブーロッドと言う答えがある。
故にアキマルバンブーロッドの製作基本は可能な限りのオーナーとアキマルの合同釣行やキャスティングチェックをはじめとする、ビルダーとオーナーの情報交換作業を常としている。
其の四 真性鱒竿・・・・アキマルはバンブーロッドの答えを基本ドライフライの釣りと考えている。他意は無い、ドライフライ釣りが一等好きだからである。
昔、取材仕事でニュージーランドを3回旅した事がある。その際現地ガイドの条件でニンフばかりで釣った、いや釣らされた。勿論自前の5番と4番のバンブーロッド。当時はまだ自作ロッドもソリッドの強いアクションのロッドだった為、NZランドの60cm大鱒も十分対応出来た。其の際ニンフばかりでやらされた時、大型のヘビーニンフを流れの縦、横、深さ、速さを自在にコントロールして流す事が出来る位までになれた。其の上で水深5m以上ある水底の大物鱒を、ヘビーニンフを沈み込ませて、ラインの糸フケで完璧魚体の64cmレインボウをランディング出来た。更に感動したのが大鱒の鳴き声?唸り声。やはりニンフで取ったモンスターブラウンを岸辺に横たわらせて写真撮影をしていた時、其の大鱒が 猛獣の様に『Woo! Woo!』と間違いなく鳴いた、いや吠えたのだ。そんな凄い、貴重な体験をしていたにもかかわらず、帰国後ニンフ釣りは全くやらなかった。(このNZでの経験でニンフ用ロッドの基本要素は幾つか掴め、今も其のニンフ用ロッドのデザインアイデアは持っているが・・・)
其の昔、山女魚屋を自称していた時期がある。これも他意はない。1986年の春まで山女魚釣りしかやらなかったからだ。1986年夏、芦澤一洋さんに連れて行かれた初めてのHenry's Forkで、本気で涙する位の感動の釣りを体験、それ以降生き方さえ変わってしまった。
あのマッ・チ・ザハッチの本物鱒釣りを体感してしまったのだ。以後バンブーロッドは山女魚のサイズをいくらやっても結論が出ないだろう事を体感してしまった。偽物のバンブーロッドだとHenry's Forkの本物鱒は取れない=本物のバンブーロッドで無いとHenry's Forkのマッチザハッチの大鱒は取れない事を直感してしまったのだ。大鱒地獄だ。現地の野生鱒マックロードレインボウ麻薬にハマってしまったのだ。あとはご存知の真性HF麻薬中毒患者である。
以来私の、AKIMARU BAMBOO RODS の全ての判断基準がHenry's Fork TROUT 20" overになってしまった。勿論ドライフライで5x ティペット基準である。
Henry's Fork鱒達が私に教えてくれたのは、対HFマッチ・ザ・ハッチ用ドライフライロッドである。常に吹いている強風、其の中で、7~10mの距離で、瞬時に要求されるPINスポットへの毛針投射性、20"大鱒の最初の強烈なRUNを5xティペットで止めるパワーと粘り、20番以下の極小サイズ毛針でも対応出来る繊細さ。これらの総合デザインの優れたバンブーロッドを追い求め、製作と修正・進化を繰り返し30数年Henry's Forkを旅している。加えて近年ショートロッド と3pcバンブーロッドの優秀性を見つけ出した。
全てこれらの答えを教えてくれたのが、紛れもなくHenry's Forkの20"オーバー鱒とアメリカ始め世界で相手をしてくれた大鱒達、北海道の荒瀬の大鱒であり、岡山のダム指し野生鱒、加えて山女魚・岩魚用ロッドもHF用ロッド同様、無駄な要素が削り取られ、進化していった。
製作者の思想、使い手の希望、本物野生大型鱒の本気の相手、これらが組み合わさったTROUTフィッシング、其の為のバンブーロッドがAKIMARU BAMBOO RODである。
2019年からコロナで止まっていたHF時計の針がやっと動き始めた。2023年6月のHF旅滞在ロッジがやっと予約確保出来た。待ち焦がれていた仲間達も同行する。コロナ以後作り溜めた ROX 始めNew TROUT Rod数種がいよいよ本物の相手と対面できる。
PMD のマッチザハッチの20”オーバーレインボウを、New Rodで絶対に取る!!