2023年9月24日日曜日

鱒談会2023 ご案内

 Catskill & Long Island  の旅

 行ってきました CatskillとNewYork Long Island 。旅は人間の幅や希望、夢を広げるだろう事を再確認出来た素晴らしい1週間でした。釣りこそ最終日の3時間ほどしか出来ませんでしたが、生業であるバンブーロッド絡みのすごい体験が出来ました。上手く行った博物館スタッフとのAKIMARU BAMBOO RODS 展示会の打ち合わせ。その後予想もして無かった、博物館所蔵の Mr.Garrison 製作の最初のバンブーロッドを博物館館長が直々にキャストさせてくれた事。同じ現場で私の804HEXAをキャストしたHARDY の名手 John Shaner のHEXAアクションの感想。2日後、あのレジェンド Hoagy Carmichael  とのひと時。その時、Hoagy がキャストさせてくれた Mr.Garrison のパーソナルロッド209とPayneの名竿764/5 の3pcのキャスト感触。そして私が製作したHoagy's Special 764-2HEXAのHoagyの感想。旅の締めがNew York 郊外 Long Islandの銘川スプリングクリーク Connetquot river の60cmレインボウ鱒の釣り、全てが上手く行きました。


 早くこの Catskill & Long Island 旅物語を皆さんに紹介したくて堪らないのですが、先ずは今週末の鱒談会2023情報が最優先。鱒談会終了後、10月に数回に分けてCatskill & Long Island 旅物語をお届けさせて頂きます。お楽しみに😎





 先ずは今週末開催の、アキマル恒例の第3回目の鱒談会情報です。

 岡山県 湯原の鱒談会・会場でお逢い出来るのを楽しみにお待ちしています。

WATAKE製ソリッドロッド S744-2 渓風    S704-2 小太刀 登場です!!

 この2機種は今回の鱒談会2023で発表、ご希望の方はキャスト可能です。ロッドデザインはリールシート周りが、ポケットCap & Ring  +  銘木スペーサーの組み合わせになります

WATAKE 製ソリッドロッド        スタンダードモデル

◉  渓風  S744-2         7'4"    #4   2pc   1tip    Progressive Action     価格¥270,000 


◉  小太刀  S704-2     7'0"   #4    2pc   1tip    Progressive Action       価格¥270,000

◉ 納期、ハイグレード モデルに関しましては直接アキマルまでご相談ください。
◉ ロッドデザインはリールシート周りが、ポケットCap & Ring  +  銘木スペーサーの組み合わせになります。


 AKIMARU BAMBOO RODS  鱒談会2023

  会期/開催時間・会場
 会期  ◉ 9月30日/10月1日  ● 9月30日 AM11時からPM4時  ● 10月1日 AM10時からPM4時
 会場  ◉ 湯原ニジマス自然釣場 / YUHARA 
              〒717-0402  岡山県真庭市湯原温泉8-2  
               湯原漁業協同組合事務所      Tel 0867-62-2273
 入場券 ご参加の方は、湯原漁協事務所にて当日遊漁券をご購入の上、ご参加ください。
    当日券のみ お一人¥2,200

 会場では、当日10本から12本のAKIMARU BAMBOO RODs その他ランディングネット とFly Box等を展示予定してます。ご参加ご希望の方は事前にアキマルまでご希望のロッドをご連絡いただけば、可能な限り、用意いたします。
 また会場では、軽い飲み物は、アキマルの方で用意いたしますが、お昼の弁当、お食事は各自でご用意お願いいたします。

● 尚当日、自然釣り場の流れで、キャストご希望の方は、マイリール、ウェーダーなど下記を各自ご持参ください。
●  マイリール 3番ライン 4番ライン にお得意のリーダー、ティペットをセットして頂き、
ラインにドレッシングをしっかりお願いします。
●  ウェーダーをご持参ください。基本ウェーダーを履いた状態で、流れの中に立ち込んで、流れに並行に、
もしくは他のお客様にご迷惑のない形でキャストしていただきます。
●  キャストは大体5分から10分で1本のロッドを交代して頂く様お願いします。
●  出来ましたら、個人用の椅子のご用意をお願いします。
●   尚、当日は現物ロッドの販売は行いませんので、その旨ご了承ください。

湯原の虹鱒管理エリアで、こんなヒレピンの大型レインボーが釣れます。鱒談会当日大鱒釣りも堪能できます。是非遊びにきてください。

京都、福岡、広島、高知、島根、兵庫、大阪、和歌山、そして地元岡山などなど各地から参加者で秋晴れの中、開催された2回目の鱒談会。小さなミーティングから、少しづつバンブーロッドとFly Fishingの輪が広がっていくのが楽しみです。


AKIMARU BAMBOO RODS
Phone   office 092-980-2123      cell  090-8393-2427   

2023年9月11日月曜日

AKIMARU BAMBOO RODS 鱒談会2023

 ソリッドバンブーロッド復活!!

 1987年、アキマルが Bamboo Rod Maker デビュー。アキマルのデビューロッドは 7'4" #4 2pc トンキン竹素材のソリッドロッド山女魚用 渓風。

 ピンポイントアキュラシーにアクションの中心を置いた対大山女魚を意識したティップアクションロッドだった。この744渓風はロッド中央からティップトップの範囲、ロッド全体の上部60%〜70%のブランク範囲でレギュラーサイズ山女魚20cmから35cm超の大山女魚まで対応出来る完成度の高いロッドだった。しかし1990年代半ばから製作開始した、セミホローロッドとWATAKE素材の登場で、自然とこのソリッド構造のロッドの存在が薄れていった経緯がある。

 そのセミホローロッド製作開始から時は流れ、近年の多数回の国内鱒釣りの良経験において、バットのグリップ上部辺を早めに反応させる=曲げる事で、よりスムーズに大鱒を取り込める事を、確信。その思いに重なったのがソリッドロッドの粘り強い、大物用アクション。

 加えて素材を強いトンキン竹から、粘りのアクションを、より上手く表現出来るWATAKE材に変える事で、強さと粘りとしなやかさに、ロッドの軽量化も実現。ピンポイントアキュラシーと投げ易さは当然。バット上部からTip先端まで、ロッド全体を使うプログレッシブアクションで、50cmサイズの大鱒まで対応出来るロッドが実現した。

 製作工程もHEXAロッドの複雑工程に比べ、格段にシンプルになる事から納期も短く、コストパフォーマンスも割安。

 次世代の日本のFly Fishing世界を担う若い人達にもバンブーロッドの素晴らしさを体感して頂けるロッドが完成した。

 WATAKE製ソリッドロッド S744-2 渓風    S704-2 小太刀 登場です!!

 この2機種は今回の鱒談会2023で発表、ご希望の方はキャスト可能です。

WATAKE 製ソリッドロッド        スタンダードモデル

◉  渓風  S744-2         7'4"    #4   2pc   1tip    Progressive Action     価格¥270,000 


◉  小太刀  S704-2     7'0"   #4    2pc   1tip    Progressive Action       価格¥270,000

◉ 納期、ハイグレード モデルに関しましては直接アキマルまでご相談ください。


 AKIMARU BAMBOO RODS  鱒談会2023

  会期/開催時間・会場
 会期  ◉ 9月30日/10月1日  ● 9月30日 AM11時からPM4時  ● 10月1日 AM10時からPM4時
 会場  ◉ 湯原ニジマス自然釣場 / YUHARA 
              〒717-0402  岡山県真庭市湯原温泉8-2  
               湯原漁業協同組合事務所      Tel 0867-62-2273
 入場券 ご参加の方は、湯原漁協事務所にて当日遊漁券をご購入の上、ご参加ください。
    当日券のみ お一人¥2,200

 会場では、当日10本から12本のAKIMARU BAMBOO RODs その他ランディングネット とFly Box等を展示予定してます。ご参加ご希望の方は事前にアキマルまでご希望のロッドをご連絡いただけば、可能な限り、用意いたします。
 また会場では、軽い飲み物は、アキマルの方で用意いたしますが、お昼の弁当、お食事は各自でご用意お願いいたします。

● 尚当日、自然釣り場の流れで、キャストご希望の方は、マイリール、ウェーダーなど下記を各自ご持参ください。
●  マイリール 3番ライン 4番ライン にお得意のリーダー、ティペットをセットして頂き、
ラインにドレッシングをしっかりお願いします。
●  ウェーダーをご持参ください。基本ウェーダーを履いた状態で、流れの中に立ち込んで、流れに並行に、
もしくは他のお客様にご迷惑のない形でキャストしていただきます。
●  キャストは大体5分から10分で1本のロッドを交代して頂く様お願いします。
●  出来ましたら、個人用の椅子のご用意をお願いします。
●   尚、当日は現物ロッドの販売は行いませんので、その旨ご了承ください。

湯原の虹鱒管理エリアで、こんなヒレピンの大型レインボーが釣れます。鱒談会当日大鱒釣りも堪能できます。是非遊びにきてください。

京都、福岡、広島、高知、島根、兵庫、大阪、和歌山、そして地元岡山などなど各地から参加者で秋晴れの中、開催された2回目の鱒談会。小さなミーティングから、少しづつバンブーロッドとFly Fishingの輪が広がっていくのが楽しみです。


AKIMARU BAMBOO RODS
Phone   office 092-980-2123      cell  090-8393-2427   

2023年9月1日金曜日

鱒談会2023

  次はCatskill

 4年ぶりのHenry's Fork旅が終了。次は8年ぶりのCatskill旅に9月13日に出発する。

 実際の鱒川でのバンブーロッド選び・・・・・鱒談会2023

 此のCatskill 旅はCatskill 博物館で計画が進んでいるAKIMARU BAMBOO RODS 展示会の打ち合わせと釣りが目的の旅。

 私の希望は、現地の秋のバンブーロッドイベントに合わせて展示会を開催、現地のアメリカ人釣り人に、先ずはAKIMARU HEXA バンブーフェルールロッドの数本を実際にキャストしてみて貰い、その素晴らしさを体感して貰いたいと考えている。博物館サイドと私の展示会開催条件が上手くマッチする事を期待しておこう。

 Catskillに限らず、私が Henry's forkや北海道、東北、岡山の湯原に出かけるのは製作ロッドを実フィールドで想定サイズの魚を掛けてみるテスト釣りと、現地でバンブーロッド愛好家に実際にアキマルバンブーロッドをキャストして貰う為である。(オーダーの決まった方にはそのロッドを実際に使ってもらうこともやっている)

 私と現地の凄腕友人釣り人達で行う複数年のフィールドテストを合格したロッドに限り、一般釣り人や友人知人達に実際にキャストして貰い、お好みや、ご希望のバンブーロッドを体感して貰う事。やはり釣り人自身が使う道具は、可能な限り納得の行く、自分に適した道具=バンブーロッドを選ぶべきだというのが作り手であり、釣り人アキマル の考え。

 話は少し横道に逸れるが、昨日、今回Catskill旅で使う新作764-2 HEXA TROUTが完成した。去年から試行錯誤をしており、完成ロッドを6月のHenry's Fork旅で友人の凄腕達にはキャストして貰い、最高の感想を貰っているが、先日のブログでお話しした通り、私自身が釣りが出来なかった事から、想定のHFの20"オーバー鱒を掛けていなかったのだ。帰国後そのテスト釣りを岡山の夏の剛力大鱒で実行、7月16日18日釣りで5匹の大鱒に5xを切られ続け、修正点を発見。すぐに修正作業、8月25日に修正完了。そして8月27日28日に最終フィールドテスト。そこで52cm,55cm, 58cm2匹の剛力夏鱒を5xでランディング。テスト合格、想定どおり修正したロッドが、夏鱒の剛力を吸収し、野生鱒を全く暴れさせないのだ。

 この764-2 HEXAをあのレジェンド Hoagy B.Carmichael  に納竿し、一緒に釣りをする。非常に楽しみだ。

完成したHoagy B.Carmichael からのリクエストロッドNew 764-2 HEXA。彼の喜ぶ顔が目に浮かぶ。いつ迄も元気でいて欲しいバンブーロッドレジェンドである。

 話を元に戻そう。バンブーロッドを購入する上で、実際に好みのバンブーロッド、気になるロッドをキャストしてみる事、最低限、草や芝生の上でのキャストはロッド選定する上では必要不可欠。更に踏みこんだロッド選定作業は実際の川でのキャスト。それがアキマルの考え。

 草や芝の上よりも、実際の川に立ち込み、実際の流れで釣り用のキャストを出来るのがベスト。実際に魚を掛けるのは無理としても、実際の流れにラインをキャストしてみる事は、草や芝生のキャストでは、感じる事の出来ないロッド情報が得られるからだ。

アキマルのフィールドテストの模様。実際に想定サイズの鱒を掛け、その強さ、粘り、しなやかさ、使用ティペットのサイズ確認などなど。兵庫の名手谷澤さんがROXのテストロッドで60アップを掛けた際の完璧なロッドベンド。564-3 ROX 5'6" #4  3pc これでテスト合格。
私が思うベストのバンブーロッドとは、想定した一番良いサイズの山女魚や大鱒をちゃんと取れるロッド。フッキングの後、魚を暴れさせないロッド=野生鱒の暴力ファイトをロッドが吸収してしまう事で魚が必要以上にバタつかないのだ。

 川における魚のライズまでの実際の距離感、風の向きに対応した正しいキャスト方法、水面に張り付いたラインを引き剥がす際のロッドの感覚、そのラインの長さの違いから来るロッドの反応等など。バンブーロッドを選定、決定する上でのチェック作業のほとんどを可能にするのが実際の川でのキャスティング・チェックです。

644-2 HEXA  6'4"  #4  2pc  HEXA  TROUT も鱒談会、会場となる YUHARA  = 湯原ニジマス自然釣り場での最終フィールドテストをパスして製品化された。564-3 ROX共々、今度の鱒談会2023でキャスティングが可能です。

 その確認作業を可能にしたバンブーロッドイベントがアキマルの鱒談会です。

 アキマルの鱒談会では、実際の川でのアキマルバンブーロッドのキャストが可能です。

 鱒談会、ご参加の皆様にはお好みのアキマルバンブーロッドの中からお好みのロッドを実際の川でキャストして頂く事が可能です。加えてスタッフによるキャスティングチェックもお手伝いさせていただきます。

 鱒談会2023、初秋の川で、皆さんと一緒にバンブーロッドで楽しみましょう。鱒談会詳細はアキマルまで直接、メールでお問い合わせください。

 akimaru.rods@gmail.com


  鱒談会2023
  会期/開催時間・会場
 会期  ◉ 9月30日/10月1日  ● 9月30日 AM11時からPM4時  ● 10月1日 AM10時からPM4時
 会場  ◉ 湯原ニジマス自然釣場 / YUHARA 
              〒717-0402  岡山県真庭市湯原温泉8-2  
               湯原漁業協同組合事務所      Tel 0867-62-2273
 入場券 ご参加の方は、湯原漁協事務所にて当日遊漁券をご購入の上、ご参加ください。
    当日券のみ お一人¥2,200

 会場では、当日10本から12本のAKIMARU BAMBOO RODs その他ランディングネット とFly Box等を展示予定してます。ご参加ご希望の方は事前にアキマルまでご希望のロッドをご連絡いただけば、可能な限り、用意いたします。
 また会場では、軽い飲み物は、アキマルの方で用意いたしますが、お昼の弁当、お食事は各自でご用意お願いいたします。

● 尚当日、自然釣り場の流れで、キャストご希望の方は、マイリール、ウェーダーなど下記を各自ご持参ください。
●  マイリール 3番ライン 4番ライン にお得意のリーダー、ティペットをセットして頂き、
ラインにドレッシングをしっかりお願いします。
●  ウェーダーをご持参ください。基本ウェーダーを履いた状態で、流れの中に立ち込んで、流れに並行に、
もしくは他のお客様にご迷惑のない形でキャストしていただきます。
●  キャストは大体5分から10分で1本のロッドを交代して頂く様お願いします。
●  出来ましたら、個人用の椅子のご用意をお願いします。
●   尚、当日は現物ロッドの販売は行いませんので、その旨ご了承ください。
京都、福岡、広島、高知、島根、兵庫、大阪、和歌山、そして地元岡山などなど各地から参加者で秋晴れの中、開催された2回目の鱒談会。小さなミーティングから、少しづつバンブーロッドとFly Fishingの輪が広がっていくのが楽しみです。


AKIMARU BAMBOO RODS
Phone   office 092-980-2123      cell  090-8393-2427   

2023年8月21日月曜日

2023 Henry's Fork旅   最終回

  やはりHenry's Fork 

 4年ぶりのHenry's Forkは矢張りFly Fishing の聖地だった。

 このコロナの4年間、国内の鱒釣りでもそこそこ良い釣りを楽しめていた。ショートロッド 3pc ROXの開発や、バンブーロッドの大鱒ランディング性能についてのリポートも精度の高い情報が集められた。その意味では意義ある4年ではあった。しかし日本の釣り場通いが続くと、見えなくて良い日本釣り世界の雑多な場面にも出会って、ちょっぴりストレス。そんな雑多な事を一切感じさせない、釣りだけを本心楽しめる世界がHenry's Fork、ご紹介して来た通り、釣り空間が物理的に雄大なのだ。完璧な非日常がそこに広がっている。

       イベント会場の向こうにミリオネアプールと青い空と白い雲。    嗚呼、幸せ😁

 釣り場空間の雄大なサイズ = ノンストレス+釣りの面白さ。それは魚の賢さ、サイズ、パワーとイクオールでもある。その事を改めて4年ぶりに再確認出来た。使用するバンブーロッドもしかり。日本の狭い空間ではショートロッド の効用を感じる。しかしHFの広い空間、風が常時ふく釣り場、サイズの大きな、強い叡智の大鱒には最低でも腰の強い4番の7'6"、いや 7'9" #4 の強い鱒用バンブーロッド、8’0”#4のPin Point アキュラシイ精度を持ち、高いランディングスキルを持ったトラウト ロッドが必要。

 今回のThe Bamboo Rod Days 2023 の会場でのAKIMARU BAMBOO RODS の評判は、4年のブランクの所為もあったのか、来客者が多すぎて、私が各顧客対応を諦める位の大好評だった。

イベント2日目、初日の混雑を避けた、常連組はゆったりとイベントを楽しむ。

 中でも804-2 HEXA, 794-3 HEXA はとりわけ凄い評判だった。プラス764-2 HEXA 2種、 これら4機種は朝の9時から夕方5時まで、常に誰かや、どこかの塊グループがキャストしていて、探すのに苦労する位だった。

中央でキャストするのが主催者のNelson Ishiyama さん。ビンテージロッドの有名なコレクター。彼の地道な努力のおかげでThe Bamboo Rod Days の今日の隆盛がある。感謝😎 横でラインを目で追う私と最所くん。

 会場は一番混み合った初日の午後には100名以上の来客があり、70m x 200m以上あるだろう草の広場にキャスティングスペースを見つけるのが大変な程の混み様だった。中でも私が特に惹かれたキャスターが2人。我が相棒Chris Moore ともう一人。

  Chrisは身長は私と同じ175cm 強位なのだが、体重は100kgを超える巨漢、彼は文字通りのパワーキャスターであり、同時に細かい技のテクニシャン。彼の為に作った7’9” 3pc HEXAで4番ラインをフルキャストしていたかと思うと15~17m距離のカーブやスラックキャストも次々に投げていく。教えて貰ってもその場では表現出来ない距離。改めてアメリカのFly Fishing の底の深さに魅せられた。

 親友Frank のお別れ会、ありがとう Brother Rouel。イベント常連組は朝の空いた時間帯に目的のロッドをキャストして確かめる。8'0" #4/#5  2pcのスプライスジョイントRodも悪くなかったぜ!!腕をあげたな。Rouel 😎

 

 Kyle の事

 もう一人凄いのがいた。相棒 Chris の向こうで同じレベルの美しいループを作り出していたのが私よりも小柄な日系4世のKyle。

 向かい風にも関わらず、スロースピードのラインで、常に平行幅で、ループが伸びていく。ゆっくりだが力の乗ったラインは落ちない。丘の上にあるこのキャスティング広場に吹く風は常時、結構な強風。それを問題せずにラインが伸びていき、ティペット先端部位がふわりと落ちるのだ。そのキャストは間違いなく実践釣りのキャスト。その向こうに凄腕の釣り人の像が明確に見えた。バンブーロッドビルダー、アキマルの一番希望する相手である。  

 Kyleは名手John Juracek事、J Jのキャスティングの弟子で、あのPatagoniaのFly Fishing 部署のアメリカ、カナダエリアの担当者。上手いはずだ。

 彼はJohn が 804-2 HEXA  2pcを使っている事から、今回 AKIMARU BAMBOO RODの数本を実際にキャストして、その上で1本オーダーしたいとやって来たのだ。中でも彼が気に入ってキャストしていたのがJ Jの使っている8’0” #4  2pc  他3本。 

 804-2 HEXA  John Juracek Spcial  事 J J Special  バットアクション。

 そして新作 7'9" #4  3pc HEXA  Henry's Fork Special   プログレッシブ・ティップアクション。

 旧メタルフェルールの7'9" #4  2pc    Henry's Fork Special   強いティップアクション。  

 最後がHoagy Carmicheal からリクエストで製作した 7’6” #4/#5 764/5-2 HEXA 2pc。

 とりわけ 804-2 HEXA JJSpecial  が気に入ったようだが、この会場では結局決めきれず、数日後にJohnと釣りを一緒にして、現場で804-2 HEXAを実際に水に絡めて投げて見てオーダーロッドの内容を決めるという事になって、その日は終わった。

 帰国後、メールで打ち合わせ。此の数回の要所を抑えた簡単メールで、HFマッチ・ザ・ハッチ釣りとバンブーロッド好きの釣り人の意思の疎通はスムーズに行った。8月7日の朝の時点でKyleの希望ロッドの仕様がほぼ決まった。矢張りKyle は自分のスタイルはしっかり持っていた。

 彼の希望内容は804-2 HEXA JJ Special WATAKE のセミホロー仕様、バットアクションを基本に、風の強い日の使用と対大鱒パワーの要素を少し JJ Specialに加味した強さ、尚且つロッド全体を使って大鱒を暴れさせずに取るパラボリック寄りのアクション。Henry's Fork マッチ・ザ・ハッチの必須要素、6x 5x のティペットが使えるしなやかさと粘りは勿論想定している。

 そしてKyle が最後まで、どうしても拘ったのがスピゴットフェルール=バンブーフェルールの滑らかなHEXAアクション。HEXAのスピゴットフェルールにしか出せないアクションの滑らかさをKyle が分かっているのだ。

 矢張りKyleは見立ての通りSerious Angler だった。JJのゆったりした釣りの向こうに804-2 HEXA JJ Specialの早めにバットが動き出すバットアクション。そして強風の中でもPin Pointで毛鉤を打ち込め、尚且つ大鱒を取り込めるパワーを持ち、6xのティペットにも順応出来るしなやかさとバネと粘りを持った、ロッド全体を使う強めのセミ・パラボリックアクション、804-2 HEXA  フルウェルズ・グリップ+アップロックシートの大鱒仕様。私も彼のこの希望案に納得。

 Kyle Special 804-2 HEXA のベースになる Gtype 完璧ベンド。このベンドに更に粘りとしなやかさを加味する。

 このKyle Special のアクションに込める、強さの中にある粘りこそが本物の大鱒釣りの為に数十年練り込んで完成したAKIMARU のHenry's Fork Special アクションなのだ。

 矢張りKyleに感じた私の釣り人としての勘は間違いなかった。

 Kyle  Tatsuno Toyama  日系4世 35才。 現役バリバリのHenry's Fork Fly Fisher。来年6月の彼との釣りが楽しみだ。


John Juracek が804-2 HEXA  8'0" #4  2pcで釣りまくっている。彼の希望通りのバットアクション804-2 HEXA。素晴らしいパフォーマンスだと絶賛の写真が連日送られてくる。

 私自身も楽しませて頂いた2023 Henry's Fork 旅の執筆も今日が最終回。やはり旅は物語である。旅はやはり非日常。新鮮で心踊る体験、加えて旅でしか味わえない友との交流、其処には必ず人生に大切な物を発見する。次回2024年HF旅までの10ヶ月半、心は既にHenry's Fork中心で回り始めている。

 今回旅は、贅沢だが、イベントが多すぎた。肝心の夕方の釣りがそのイベントがらみもあり、全く出来なかった。特に私は夕方も日中も、プライベート釣りそのものが一回も出来なかった。狙いの大物ライズがイマイチだった事から、ガイディングに時間を取られすぎた。仲間達に釣らせる前に私が釣るわけにはいかなかった。加えてHunter や Frank の悲しい出来事も重なった。もう個人の釣りをやるエネルギーは残っていなかった。HF旅初参加の奥ヒサオさんには約束していた大鱒とガイディングが出来なくて申し訳なかった。

 しかし、HFまで行って釣りをしなかった。それも私の意志。

 しかしそれをして尚 Henry's Forkは凄かった。

 既に来年のHF旅はの出発日を6月13日と決めた。来年こそはKyle、Chris、Rouel 、John、Rene、Urs 、Andrew 等など、アメリカ人友人達とも釣りをやる。


次回  10DAYS から9月末に迫ったアキマル恒例イベント鱒談会2023のご案内と9月のCatskill旅の物語を予定しています。乞うご期待です😎


AKIMARU BAMBOO RODS
Phone   office 092-980-2123      cell  090-8393-2427   


2023年8月7日月曜日

2023 Henry's Fork 旅   その5

  Last Chance

 6月21日 翌日の釣り最終日22日は帰国荷物の整理で、早めに釣りを終える。それを考えるとこの日が真面に釣りをやれる最後の日。しかし私とChrisには夜6時から、癌で亡くなったFrankのお別れ会が入っている。それを考慮すると私が釣りを出来るのは夕方の4時半まで・・・・という事は、肝心の夕方のライズは時間的に無理、プラス約束している谷澤君にちゃんとしたHFのトロフィーレインボーを取らせないといけない。ほぼ自分の釣りは無理。予想では11時からハッチが始まるはず、そこで良いのを何としても一つ取らないと・・・・・・。

 10時40分 ラストチャンス入り口。いつものバンク。まだ虫の流下は少ない。陸鴎もまだだ。風は良い。手前岸側から対岸上流向きの絶好の風。先日17日、対岸側ライズは全く確認出来なかった。風向きなのだ。風向きにより状況が 全く違ってくる。この日は絶好の風。しかし目的対岸のバンクに釣り人が1人、その下流側にも一人。流れには既にキャストをしている釣り人、ロッドは振っていないがライズを待っている釣り人数人が小さく視界に見える。まだ少し早いようだが、これで良い。

 陸鴎がやって来た。お約束の11時20分だ。「谷ヤン行くぜ!!」

 私達は流れを直角に進み対岸を目指した。目的の場所は先客がバンクに座っている。私達が流れ中央辺りにたどり着いた時、その男が立ち上がった。ライズを見つけたのが分かる。邪魔をしない間隔をとって上流斜めに向かった。対岸の手前、30mの流れで一旦立ち止まり、バンクの際を注意深く観察・・・・・ライズや魚が見えない事を確認して、対岸に上陸。バンクにたどり着いたときはもう鴎はいなくなっていた。自然は単純明快。虫の流下が20分程で終わったのだ。大丈夫又鴎はやってくる。

 それから1時間再び、鴎飛来。チャンス。私は黙って立ち上がり上流の岸際に魚を探した。

帰国して約40日、谷澤君のロッドと同じ、804 HEXA 2pcを使っているJohn Juracek から連日届く、銀ピカのHF レインボーや美しいトロフィーブラウン。取った 20"UPのトロフィートラウトの数は30を超えた。
 8'0" #4  2pc  804-2 HEXA  JJ Special のパフォーマンスは最高評価。強風を意識せざるを得ないHFでは、やはり最低でも7’9"もしくは8’0” の腰の強い、対大鱒用の4番のバンブーロッドが欲しい。

 上流に向かって静かにバンクの際をゆっくりと音を殺して歩く。バンク際上流数10m先の水面を見つめながらの魚探し。逆光の水面が白く輝く。虫の流下量はまだ本番には程遠いが、鴨が水面で虫を啄んでるのは確か。風は向こう岸からこちら側向き。虫はこちら岸に吹き付けられる。ライズは必ずある。ゆっくりと足元に気を配りながら、視線を上流30mの光る水面に。

 10分が経ち、20分が過ぎた頃、岩が点在し、緩い流れが開いていくフラットな水面が見えた。その一番下の沈み岩周りを舐めるように流れる緩い筋。その水面が少し動いたように見えた。自ずと腰が落ちる。谷ヤンは50mほど下流。

 約束

 私はバンク草叢に腰を落とし、その怪しいスポットに視線を絞った。

 逆光の白い水面が眩しい。まだ沖目に鴎も見える。1分がすぎた。2分が過ぎた。3分、水面に変化はない。間違いか???ゆっくりと立ち上がった。そこでもう1分・・・・諦め掛けた時、白い水面に黒い丸い影が1度、2度現れた。魚だ!!間違いない。

 「谷ヤン!!」谷澤君に小声で合図を送った。走ろうとする彼に「走るな!!ゆっくり!!」

 谷ヤンが私の右横に座った。ライズの方向を指差した。数秒後またしても水面に黒い影が盛り上がった。

 「わかりました!!でかいですね」

 「でかいね。これが見せたかったんだ」「何処からやりたい?」「何処からが良いですか?

 「じゃね、僕だったら、魚の位置より若干上に立つね。ちょっとダウン気味のクロスだね。アップだと手前のレーンに絡むと、ドラグが気になるからね」

 「ここから20mほどトレイルを静かに、ゆっくり下に歩いて行って。そこから音を立てないように流れに入って。それから一旦直角に沖目を目指して。魚の位置を確認した上で、魚の流れの筋から3、4本沖目の筋を上流に進んで。なるだけ波や音を立てずに、ゆっくりゆっくり、自分の距離まで進んで」

 谷ヤンが動き出した。「音を立てるな!!ゆっくりよ」そう言いながら視線は魚の水面を捉えていた。又出た。間違いなく良いサイズだ。フラブのスペントだ。

 『フラブ?あのフォームからするとダン?!いやスペント?』

 5分後、谷ヤンが右手視界に入った。ライズは・・・又出た。魚にスイッチが入った。これはいける。「谷ヤン、其処で良いか?遠くないか?」『大丈夫です』手をあげて合図があった。 

 「フライはフラブですよね?」

 「そうフラブのスペント。14か16のスピナー!!」「1投目よ。1投目が大事よ、気をつけて」

 谷ヤンのキャストが始まった。Rodは 8’0” 4番 2pc  HEXA 。4番のラインが伸びる。

 ラインが解き放たれる・・・・ラインが延びて・・・・毛鉤が魚のポイント上流1m、魚のレーンにふわりと着水するのが見えた。

 私も背伸びをするように毛鉤を追った。

 毛鉤が流れた。静かに流れて行った・・・・そこだ!!・・・・しかし毛針はそのまま下流に流れていった。

 OK OK  今ので良い。良いぞ。

 『入ったけどな?もう1回』

 毛針が水面を離れ、ラインが再び空中を舞い出した。

 ラインに気持ちスラックを入れ、投射、そして毛針が目的の魚の筋にフワリと落ちた。

 魚から1m上流、毛針が流れ始める・・・・・10 cm・・・・・・20cm ・・・・・30cm・・・・・・・50cm ・・・・・80cm・・・・流れて、流れて・・・・ビンゴ!!

 谷ヤンがロッドを煽った、魚が乗った!!ラインが張った!!

 アッ!! 思わず叫んだ・・・・・・・・・・・切れた・・・・

 ・・・・・・自分のミスに呆れた谷ヤンが両膝に両腕をついた。

 私は両腕をあげたまま後ろの草叢に倒れ込んだ。   

 再び喉から声が飛び出た アーー!!

 『・・・・・・・』   谷ヤンが両膝に手をついたまま起き上がれない。

 私は暫く、声を掛けるのを意識的に我慢した。

 5分ほどして谷ヤンがリールを巻き始めたのを見届け声を掛けた。

 「デカかったな〜」「ですね・・・」

 「合わせが強過ぎやん。興奮しとったろ。普段あんな合わせは絶対せんのにな」

 『・・・・・』

 「気合が入り過ぎやね。切れたの?」

 「5xの結び目から切れました。スペント。ドンピシャだったんですけどね」

 「クッソー!!食ったのにな〜」・・・・・バンクまで帰って来た谷ヤンの肩を叩きながら、次を即した。

 もう1匹スウィッチの入ったライズを見つけた。それも谷ヤンがだいぶ粘ったが水面が爆発する事なく30分ほどで諦めた。その後近くで釣っていた永田さんが目の前で瀬の良いサイズを掛けた。その取り込みのロッド捌きを師事しながら、ネットインした魚を写真撮影。岸辺に引き返す時に、愛用の木製ウェーディングスタッフが無いのに気がついたが後の祭り、写真撮影をしている間に紐が解け流されてしまったのだ。諦めてロッドを立てかけている岸辺に戻る。

 そうこう、しているうちに鴎もいなくなり、流れの騒つきは無くなった。「谷ヤン、ライズも止まったし、時間もあまり無いから、向こう岸まで行って、向こうで釣ろうや」「ですね」時刻は既に4時前だった。

 日常のストレスから解放されると、人はこんなに幸せに慣れる。アシュトンで釣りまくった日本の若者。頼むぜよ未来の日本のFly Fishing を!!
 下はラストチャンスのトロフィーと東北の名手・安斎さん。私が貸した紺色のラッキーCAPのお陰、勿論、夕食は彼のご招待。御馳走様でした〜〜〜😎

 17日初日に釣った時とほぼ同じコースを引き返す。
 対岸下流部に向かって渡渉、17日はウェーディングスタッフは使わなかった。スタッフがなくても問題は無かった。しかしこの日はスタッフを無くした為か、無いと精神的に足元が不安になる。谷ヤンを上流側で歩かせ水流を弱め、彼の下側を歩く。瀬の流れはそんなには深く無いのだが、押しが強く、水中に時折点在する大岩が急流で見えない。時折谷ヤンの肩に手をかけゆっくりと斜め下流に、流れに乗るように進む。

 ブリーズが頬を撫でる。何処までもぬけているお約束のアイダホの青い空と白い雲。水の冷たさが心地良い。10分ほどかけて対岸に。

 残り数mで対岸。すると左後ろで何か様子が変。振り向くと谷ヤンが空を見上げ、ボロボロと涙を流していた。

 「どうした?」声をかけながら彼の涙の意味がわかった。

 私も涙を堪える事が出来ず貰い泣き。その間に谷ヤンの涙は嗚咽に変わった。彼の背中を軽く叩き、撫でた。

 腕で涙を拭いながら、彼が私の顔を見て更に泣き笑いになった。私も笑い泣いた。

 ひとしきり泣き終わった谷ヤンが言った。

 「ありがとうございました。・・・・悔しいです・・・・・」と。

 又一人聖地 Henry's Forkの洗礼を受けた若者が増えた。谷ヤンもやっと本物のFly Fishingに出会えた。彼の釣りも人生もここから改めてスタートする事だろう。私は約束の半分を果たした。

 ラスト最終22日、Henry's Forkは日本の来訪者に最後に何を見せてくれるのか?楽しみである。

 やはり聖地 Henry's Forkはコロナに負けずに、天国そのままで、4年前同様、其処にあった。(この話を書いてる時気がついた。この日の谷ヤンの泣き顔を写真に残しておくべきだったと・・・・・残念😢)

 次回ブログは旅のまとめとバンブーロッドの話、これで最終話です。乞うご期待。

 今回のHenry’s Fork旅物語は、通常の2倍の閲覧者様にお楽しみいただいた様で、有難うございます。
 次回旅、9月13日からの  Catskill旅  も、より一層 楽しい物語を期しています。
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