数年振りの佐賀県・背振の川
先日、久しぶりにTVの番組取材を受けた。その番組は福岡と佐賀の職人さんを特集した朝日TV系列の 「 STORY 〜未来に残したいふるさとの風景〜」という5分間の番組。過去の番組画像が美しい事、職人の言いたい事、伝えたい事を短い時間の中で上手く表現出来ている事、などから取材を受けることにした。その向こうで来年5月開催のCatskill Museum でのAKIMARU HEXA Exhibitionの宣伝意図も考えての番組成立である。
その井手野地区の山里の風景、その間を流れる透明な渓流の風景が、番組のタイトルに繋がった。
しかし今は昔、この三瀬・井出野地区の山女魚の川は、この20年の度重なる風水害による護岸工事の連続で、右岸は舗装道に沿ってコンクリートの護岸壁、左岸は人が入る事がない様子の大人の高さほどある青草の草林の連続が、小さな川にかぶさっていた。探す事1時間半、1箇所だけ適度の空間を見つけた。対岸に杉林と雑木の林、その前のスペースだ。足元草藪向こうからは流れの水音が聞こえる。足元の草薮を分けて下まで降りて行くと、其処には懐かしい流れが白い川底を見せながら、透明に広がっていた。この部分を切り取ればイケる。その上流500mの位置に広がる真竹の大きな竹林も、バンブーロッドの使用材料として撮れる。何とか残っていた私の原風景に、ちょっぴり安心し、TVクルーに撮影可能の連絡を入れた。
余談ではあるが、その場所ではキャスティングのカットだけ撮影したのだが、撮影の合間、毛鉤を数回投射して見たら、何と5〜6cm程の小山女魚が毛鉤に飛び出た。この事は、山女魚が細々ではあるがまだ世代交代はしている証左なのだろう。心の故郷はまだ小さく健在である事に少し胸に響くものを感じて撮影を終えた。
KBC TV 番組名 「STORY 〜未来に残したい ふるさとの風景〜」
放送日 2024年6月23日 日曜日17:55 ~ 放送対象地区は九州域
◉放送終了後はYouTubeで見る事が可能です。
私のFly Fishing 観
この井手野の川の変わり様を目の当たりにした時に、やはり日本の山女魚釣りを改めて諦める自分がいた。山女魚の生存出来る真面な渓流は今も姿を消し続けているのだ。その向こうで細くなってはいるが、流れの透明度は昔のままで、花崗岩の砂礫層の白い川底も埋まり、浅くはなっているが健在なのだ。この環境要素とセットであったはずの山女魚の気配が無い・・・とは言わないまでもその存在感が非常に薄いのだ。
原因は地球規模の異常気象の影響=台風、大雨など風水害の河川や自然環境被害にプラス、地震国で、国土の小さな日本の自然は軒並み大きな打撃を受けているのは間違いない。
その風水害からの復興計画=人間の命優先の思想の前には天然山女魚、岩魚の生存・存続主張の意見など日本社会では軽視されるのが常であろう。ましてや外来の虹鱒の環境など論外だろう。38年前に自署で書いた通り、日本の天然山女魚、天然岩魚の存在は、今後もその存在は間違いなく薄くなっていく。たどり着くところは希少種に指定され、保護の対象魚種になっていくだろう事を予想する。そうなるしか天然山女魚岩魚の存在・存続はないだろう。勿論天然魚は希少・保護種となり釣りの対象魚では無くなる。その覚悟は出来ている。それが天然山女魚岩魚の種の存続にはベストだと私は思う。
釣りの対象ならば、養魚場で飼育された放流山女魚で良い。彼らと里川で遊ぶ事ができればそれで十分。ただその里川が山女魚の住める水質と環境がどこまで保てるかという危惧しか無いのだが・・・
今の大鱒釣り
今はバンブーロッドの本質を更に追求する為と Fly Fishing の楽しさの極み“マッチ・ザ・ハッチ”の大鱒釣りに嵌っている。人生残り少ない時間、最後の日までやり続けるのがバンブーロッド製作と大鱒釣 Fly Fishing だろう・・・・・な〜んて言ってる時間はない、明日からの大鱒釣りの準備があるので、ここで失礼😎