2023年5月8日月曜日

アキマルバンブーロッドのポテンシャル

 皆さんのバンブーロッドの主な対象魚は?山女魚、岩魚、虹鱒?

 今は昔、まだ九州で良型山女魚が健在であった頃は、勿論私も山女魚が中心の釣りだった。しかし、異常気象が始まって以降の毎年の河川の氾濫、山女魚川の消滅は、九州人の私には、良型山女魚を希求するのは基本条件で無理な事。職業病の腰痛の不備もプラスされ、今は年間釣りの75%が国内外の鱒釣りが主体。決して山女魚ロッドを疎かにしているわけではないのだが・・・・勿論、釣りは自作のバンブーロッドでドライフライしか使わない。

 そのアキマルバンブーロッドのTROUT用仕様について。対象魚の基準をアメリカのFFの本場、アイダホ州Henry's Fork(以下HF略称)の広さと、そこに住むサイズ50cm強のレインボー鱒をトロフィーとし、その釣りの為の仕様ロッドを基準としていた。しかしコロナで渡米が途絶えた事で、国内の野生鱒でしか、釣りそのものが成立しない時に、同じサイズの50cm強の国内鱒を中心とした釣りを始めた。

 そこでまず感じた事は、日本国内で、使用するロッドがHF釣り基準のバンブーロッドの強さでは、日本国内鱒50cm代前半のサイズでは物足りなく、対象が56cm,57cm, 58cm,59cmと大きくなっていき、今は60cmの国内鱒の釣りさえも、現実味が有り、改めて、バンブーロッドの適性を意識するようになっている。

 過去にもアメリカやニュージーランド、カナダなどで60cmオーバー鱒、最大で72cmの鱒(スティールヘッドや鮭では無い、純然たる野生鱒)をバンブーロッドの8’0” #4  2pc、8'0" #5  2pc  , 7'6"  #4  2pcなどでランディングしたり、取り逃がしたりの経験もそれなりにやっているのだが、改めて釣り場が変わり、対象魚のサイズや種類が変わると、その釣りの条件、状況でバンブーロッドの仕様と、糸のサイズが変わらざるを得ない事、特にそのサイズが特級の60cmを超える大鱒釣りの条件には、バンブーロッドの適正が必須条件だと改めて感じている。

 例えば、広くて、障害物がないHFやアメリカの釣りでは7'9"~8'0" 以上の長さが適正であるが、日本の渓流マスの釣りにおいては7’6”の長さが、使い勝手という点で大きく利すると感じる。しかし短さゆえのメリット、長いが故のデメリット、この逆も又然りである。完璧な適合ロッドが釣り場状況と魚の強さで変化するのだ。

 先日も大型の野生鱒をランディング出来たのだが、竿屋としてはその時、ロッドの適正サイズ鱒について大いに感じるところがあり、ロッドの精度や完成度、適性を鱒が教えてくれる事を改めて認識し、勉強せてもらった。以下はその時の模様・・・・。

 いつもの大物場所で待つ事数時間、やっと始まったライズは最初、水面に張り付くようないマージャーのライズ。この鱒は#18のイマージャーを2回咥えたが私のミス=2回ともすっぽ抜け。ライズは一旦止まり10数分、半分諦め掛けていたところに再びライズ。しかし此のライズは微妙にライズフォームが変化、先程効いた#18のイマージャーには反応せずライズは散発だが続いた。毛針をストーンフライのスペントに変えた2投目。水面が盛り上がったと同時にラインが上流に一気位に走った。1秒、2秒、3秒、リール音が止まらない、バッキングまで引き出されて20m上流から始まる荒瀬の芯、掛けた地点から約 30m以上ある位置で魚が止まった。バッキングまで出された事で、ラインの張りが弛み、(魚が一旦安心して止まったのだろうと、後で推測)そこから高速のハンドル巻き、ラインが生き返ったように空中を張った。まだ魚はバレていなかった。頭上に掲げたロッドから強い反応が送られてくる、ラインを巻く、ラインが引出される、此の繰り返しを数度やった時に急にラインに力がなくなり、今度は下流に一気にラインが走る、ロッドの向きを変えて対応、リールが泣く、鳴く、泣く!!なんとか10m下流の瀬の芯でそのラインの走りを止められた。

 ティペットは5x、恐らく駄目だとしたら5xが切られる、又は#18の毛鉤では、肉切れしそうな剛力魚体・・・此の魚は取れそうに無い・・・負の気持ちの方が頭をよぎる。

 それを振り切るように、ロッドを絞り、魚の剛力を耐える、ロッドの裁きで耐え続けて、左手が痺れてきた。もう5分以上経つだろう。それでも魚の頭を水面から切る事ができない。まだ耐える、凌ぐ、躱す・・・・・どうする????攻めるか、まだ時間を掛けるか???考えながらロッドの余力も測っていた。

 ここまでの長時間かけても頭を水面から切れない事は、ロッドの想定値を遥かに超えている。ロッドの限界値は残り幾つも無い。これ以上攻めれば764のロッドは破損する可能性は大きい。湧き上がる負の予感だけの中、魚の剛力を耐えていた。更に1分が経った頃、水中のラインの先、魚の口、右唇の端に掛かったフックがはっきり見えた。これはヤバイ、フックがもう少しで外れそうなのだ。此の瞬間スウィッチが入った!

このサイズで56cm。顔付きが優しい個体だった。
 

 攻めの取り込みを決めた。ロッドを絞った!ロッドが折れる覚悟を決めたのだ!764が折れても取りたいサイズだった!ロッドが硬くなった、ロッドの残り力は少ない!魚が浮いた!こちらを向いた!目が合った瞬間、又下流に走った!これを3度繰り返した。4度目、又走り、ラインが水面を切る!ロッドを絞った、魚が止まった!魚の疲労もラインから感じる。魚体が浮いた、頭が水面を切った、ロッドの胴が横震えを始めた、もう駄目か、折れるか?ネットを掴み伸ばせるだけ左腕を伸ばした。ロッド硬くなるのが右腕に感じる、ロッドが震え、腕も限界まで伸びた、頭がこちらを向いた。そのまま魚体を水面を滑らせた、そこでネットのフレームが魚の頭の下に入った・・・・・・・・。

 ランディンングした魚体はヒレピンのオスのレインボウ61cm。かかった時間が10分以上(相棒が撮影してくれた動画の長さで、その時間経過が分かった。彼も撮影しながらロッドの折れを想定した画面上の呟きが、釣りを実際にやっていた私の気持ちと同時シンクロしていた、翌日見た動画で又興奮が蘇って来た)764鱒王2pcの限界値ギリギリの魚体だった。

此の完璧な魚体は、764鱒王のロッド感触と共に、記憶に残り続けるだろう。

・・・・・・此の大鱒の向こうで見えたのが、今回サイズの大鱒=TROUT用ロッド7'6"#4 鱒王2pc の想定を大きく超えた超えた大鱒を掛けた時のストレスの蓄積は、ロッドの破損に繋がっていく可能性は間違いなく大きいと感じられた。大鱒釣り、御用心も大切です😁・・・しかし釣り人に此の大鱒を掛けて、ロッドが破損するから取れなくて良い・・・・と思う釣り人が存在するのだろうか?その感覚は私には理解出来ない。

 この大鱒に絞っての適性ロッドは、HF用の8'0" #4 と同等の強さを持った 7'6"  #5  2pc  HEXA  WATAKE製で少し肉厚のセミホローロッド? ティペットは 4x が欲しい。

 ⚫️大鱒用TROUT Rod            Standard Model    ¥280,000      High-Grade Model   ¥350,000~

    764-2  鱒王 Micro Ferrule Style       7'6"   #4    2pc  

    764-2  鱒王 HEXA                            7'6"   #4    2pc       HEXA Style

    794-2  794HF- Special  HEXA          7'9"    #4    2pc      HEXA Style

    804-2  JJ Special  HEXA                   8'0"    #4    2pc      HEXA Style  

 ◉新作 765-2 鱒王HEXA              7'6      #5    2pc      HEXA  High Grade Model       

  大鱒用TROUT Rod  詳細は直接アキマルまでお尋ね下さい。

  AKIMARU BAMBOO RODS     Email  akimaru.rods@gmail.com

  次回10DAYS は    「対大鱒用、ショート・ソリッドロッド の効用」 です。乞うご期待!! 

AKIMARU BAMBOO RODS
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