2018年4月12日木曜日

“ 極点 ”の釣


バンクにて
 午前中のハッチが一段落。バンクに寝そべり、次のハッチを待って居る・・・・
 「結局最後の奴さ〜、PMD?」
 「いや、18番のアント。PMD喰わなかったからね」
 「・・・あ〜。やっぱりね・・・・午後はヤッパリアントかね?」
 「・・・も有りだと思うよ・・・・・それよりかさ〜、今さ〜、面白い事を考えてるんだよね〜😁」
 「へ〜?・・・・・どんな事?」
 「へへ〜😁😁イヒヒ」
 「勿体ぶらずに教えてよ」
 「EXCLUSIVE Rod😁」
 「EXCLUSIVE?  特定の人向けのロッドの意味?」
 「そう。分かるね、良いね〜」
 「まあね😁 で具体的にはどんなロッドさ?」
 「ショートロッド😁」
 「ショートロッド?・・・・ショートロッドで何するの?」
 「へへへ😁。例えばさ〜。ショートロッドでさ〜山女魚釣るのは普通じゃん!!」
 「まあね。6’位の3番で釣るヤマメ釣りは普通だよね」
 「今俺が考えてるのがさ〜。😁イヒヒ😁・・・」
 「ジレッテーな〜。早く言ってよ」
 「😁しょーがねーなー。教えてやるか😁。俺が考えてるのは50cmオーバーの鱒を、6’4”のバンブーでやろうと思ってるんだ」
 「そんな短いので取れるの?何番さ?」
 「4番の64」
 「5番とか6番じゃなくて?」
 「そう。4番」
 「取れるの?4番でそんな短いロッドで、50cmオーバーの大鱒が?」
 「取れる」
 「そう言えば昔ビッグホーンで64cmだかの大きいのを7’6”4番で取ったよね」
 「そうそう。まあ今の所60cmオーバー迄は考えきれないけど、50cm台ならば、経験から行けると踏んでる」
 「あのビッグホーンの時もロッドひん曲がってたよね。あれが限界だって行ってたじゃん」
 「そう。あの時、大物の醍醐味を改めて実感したよね。そして3年前にさ、偶々なんだけど、HEXA山女魚ロッド7’4”の4番で55〜58cmのトロフィーをHenry's Forkで掛けて、実験したんだ。
 その時は折れるのを覚悟で最後迄ロッドを絞ったのよ。そしたらさ、瀬の肩に乗られたのを止めようとして絞ったら、本当にベキッと折れたのよ。この時バンブーロッドの限界点みたいなものが見えたさ。取れなかったけど、ロッドの折れるのを意図的に実験した俺はプロだな〜ッて自分を褒めてやったよ」
 「自慢は良いけどさ・・・へ〜折られたんだ〜。じゃあ取れなかったって事じゃん?」
 「まあね。只ね、折られたんじゃなくて、俺が意識的に折れる限界を体感したかったのよ・・・あの時も慌てず魚に伴歩して、じっくり捌けば取れると確信してるのよ」
 「へエ〜・・・。6’4”位の短い4番でも50cm以上のが取れる?」
 「取れる!。間違いなく取れる」
 「ロッドひんまがるでしょ?」
 「ひん曲がる。最後の所迄曲がる。曲がりがロッドの限界迄曲がる。俺はロッドの“キョクテン”と言ってる」
 「キョクテン??カッコ良いじゃん😁極限の点でしょ?」
 「そう。極点。折れる寸前の極点」
 「なんだか面白くなって来たね〜。で・・・?」
 「ロッドを曲げて行って極点に近づくと、ロッドってどんどん硬くなって行くのよ。その堅さの限界、つまり極点。それを超えた瞬間ロッドって折れるのよ」
 「なるほどね〜。・・と言う事は・・・?」
 「ロッドが硬くなるのは、具体的に実感として手に来るわけね。只その極点が何処かって聞かれたら、俺にも何とも言えないんだけどね」
 「?って言う事は・・・何が言いたい訳?ロッドが折れたら拙いじゃん?」
 「まあ最後迄聞けって。極点に達する寸前迄行ったら、ラインを張った状態でロッドの角度を緩めるの。そのタイミングさえ間違えなければ、ロッドは折れないし、じっくりやれば、74の時の大物も取れた・・・」
 「ウン。ウン!ロッドを追い込む訳ね。極点迄」
 「そう」
 「なんかさ〜これってギャンブルみたいだね〜。チキンハートゲームみたいな。ドキドキするだろうね〜この釣は」
 「・と思う。みんな大物を釣りたい訳でしょ。50cmをサーモンロッドでやったら面白くも何ともないよね。かちってさ〜通常の山女魚竿で折れたら何にも成らない訳じゃん。だったらさ〜。例えばHenry's Forkの50cm鱒のパワーの限界を少し超えたロッド極点を持ったロッドを限界迄曲げて、ギリギリで取るって言う釣が一番面白いと俺は思う訳さ。そこでショートロッドなのよ。ロッドを短くして鱒にアドバンテージを持たせるのよ、・・・何となく分かるでしょ、俺の言う釣の絵が?!50cm鱒を止めるパワーを持った細身で軽いショートロッド」
 「・・なるほどね。まあ普通の人は最後迄ロッドを絞りきれる勇気のある人は中々居ないだろうけどね・・・お前さんの言いたい事は分かる。聞いてるだけで、俺もやって見たいな〜ッて思うもん。只さ〜ロッドを極限迄曲げる様な魚に出会う事なんて滅多にないでしょ」
 「だよね。其処で勝手知ったる北海道のR川とか、Henry's Forkな訳よ。どのポイントにどんなサイズの魚が付いてるか大体全部頭に入ってるんだ。本当に得意な川だと、どんな釣になるのか創造出来るのよ。想像じゃないよ。創造の釣だよ」
 「何だかさ〜。かっこつけてきたけどさ〜。言いたいのはギリギリ迄ロッドを曲げる、極限の釣を楽しみたいって事ね」
 「そうそう。やっぱお前は良い奴だね。分かるよね俺の言う最高に贅沢な鱒釣り😁その上でね、ショートロッド用の強くて粘りのある良い竹を持ってるんだ。10年位前に手に入れた凄い竹。竹工芸の世界では有名なMさんが油抜きをやった超美竹材。グレードで言えば1000本に1本あるかないかの超美竹。この材だと理想の強さと粘りを持ったショートの大物竿が行けるんだ」
 「・・・贅沢な釣の極みだね〜。“ 極点の釣 ”だね😁・・・・というよりも?・・・オッ!!ライズ始まったぜ。先生行くべ!!」
 「・・・ウン?・・・・」
 お後が宜しい様で♪♪♪・・・😁
 
 

ショートロッドで大物を!!
 
 アドバンテージを鱒サイドに持たせるべくショートロッド。
 釣をよりスリリングにしたい為のショートロッド。
 トラウト・フライフィッシングの本場アメリカは昔からショートロッドで大物を取る世界がある。あの伝説のキャスターで釣り人のリー・ウルフ、同じくポールヤングの作った大物用ショートロッド“ミッジ”、そして現代のレジェンドビルダー、マーク・アロナーの5’から構成されたショートロッド vsトラウト&サーモンシリーズ。
 やはりスリリングなフライフィッシングを求めるフィッシャーは昔から、世界中に居るのである。

 私が今思うのはショートロッドは先ず手始めに6’〜6’9”。
 ロッドが短くなると釣はより軽快になる。
 ただし単純にロッドは細くなる。細くなっても短いが故に、強さは確保出来る。
 ベストアクション(=投げれる、目的のサイズの魚のファイトを捌き、取り込める)を持っていれば、この釣はよりスリリングに面白くなる。
 釣り手がロッドの “ 極点 ”の見極めだけ間違えなければ必ず大物は取れる。
 この持論を実践すべく大物鱒用6’4”#4の2pcショートロッド 644 Trout HEXA を完成させた。


 “いよいよ変態釣の世界ですね😁 
 ブランクが細くて、大鱒が掛ったらどんな事に成ってしまうのか正直イメージ出来ません。ギャー!!と叫ぶ位曲がるんでしょうね”
  HFで60cmを数回掛けている口の悪いF名人が現物ロッド6’4”#4、2pc HEXAを見て言った。
 そうなんです。正に変態域のマゾ的釣かもです。
 この対50cm鱒用ショートロッドアイデアに加え、もう1本。
 6’3” 3番  2pc のヤマメ用 HEXA
 想定サイズは尺上ヤマメと33cm以上40cm強の大イワナ。

 その昔モンタナの大鱒銘流ビッグホーン川で、自作のバンブーロッド7’6”#4  2pc のトラウトロッドで荒瀬の64cmの大鱒をガイドのサポートで取り込んだ。しかしその時ロッドは極限迄曲がり(ロッドが極限近く迄曲がると硬くなるのが分かる)ジョイント下にクラックが走った(この話の詳細はアキマルブログ 10DAYS 2018年2月20日付け "作りたいロッド"をご参照下さい)
 2013年7’4”#4  2pcのヤマメ用HEXA テストモデルで、HFで55cm以上ある大物を掛け、職業人意識から、何処迄ロッドが耐えられるか試し、折られた経験もある。この時はこのヤマメ竿でも、ファイトの際、ロッドの角度を緩め、魚の走りに伴歩して、じっくり捌けば “取れる”と言う確信を得た。
 この2つの重要なロッドテスト経験と北海道の荒瀬の大鱒、そして30年以上続け、慣れ親しんでいるHFの50cmオーバー鱒との 数えきれない程のファイト経験を元にショートロッド644 Trout HEXAを作った。
大鱒を取るパワーのバット。上から805Number-5  中 794 HF  Special   下  644Trout総てHEXAロッド。
グリップ上部・各ブランク対面サイズが上8,65mm  中8,40mm 下の644Troutはなんと6,80mmしか無い。
テストロッドは50cm強の大鱒を想定した負荷(2kgのブロック)を掛け、5xティペットで地上で引き、
動かすパワーを確認した。

同じく大物のパワーを凌ぐジョイント周辺部のブランク対面サイズ
ロッドの並びは上写真と同じ。上 6,10mm  中 6,00mm  この2本のトラウトロッドは殆どサイズは変わらないが
下段の644Troutは5,25mm。通常のヤマメロッドと同等サイズ。ロッドウェイトは脅威の60g。
大鱒を捌くテクニックを駆使すれば、最高にエキサイティングな釣をお約束する。

 ショートロッドで大物を釣る!!
 この一番単純で分かり易い“夢のフライフィッシング”
 “ 贅沢の極みの鱒釣り ”にご興味のある方はこの指止まれ!!😁である。

 2018年6月14日から28日迄、毎年恒例のHenry's Fork旅に仲間達と出掛ける。
 このHEXA644Trout で狙う50cmオーバーのHF鱒、その釣模様は7月の 10DAYS  でご報告する。乞うご期待!!

 ◉ 644Trout 及び633Yamame ショートロッドHEXA仕様詳細及びオーダーご希望の方は直接アキマル迄E-mail でお尋ね、お申し込み下さい。
 
AKIMARU BAMBOO RODS
●  http://www.akimaru.jp      ● E-mail  info@akimaru.jp   ● Tel 092-980-2123 又は090-8393-2427


HEXAの最大の特徴、バンブーフェルール構造からジョイント部位が撓る。
この撓りがアクションをより滑らかにし、力の乗った美しいラインが伸びて行く。


バンブーフェルールジョイント・メスの端口に装着される美しい6角のブラス製チェックはハンドメイド。

アンボイナ・バールの銘木スペーサーは直径16mm。数種の銘木材からご希望をお選び下さい。