2018年10月24日水曜日

Hoagy Carmichael とギャリソンのアイルーペ

 10月10日にNew York旅から帰国しました。
 20日現在まだ時差ぼけから解放されず、未だ頭がぼやけ気味。
 旅前にやらかした鎖骨骨折の状態は旅前と変わらず、まだ当分プロテクトベルト使用が義務つけられまともな作業再開は後30日以上掛るかもです。


 Hoagy B. Carmichaelからの招待
 New York 旅大成功でした。
 10月5日、あのバンブーロッドの神様 Everett Garrison の相棒、私の憧れの人、Hoagy B.Carmichael がドレスコードランチ招待で多いに歓待してくれました。
 先ずはミーティング場所、連休でにぎわうNYの中心部にある名門釣倶楽部 The Angler's Club of New Yorkの倶楽部ビルで待ち合わせ。ビル2階窓からブルーを基調としたClub旗。同行のChuck Neuner が写真を撮れと私に促す。何とか撮れたのが下の写真。
国際会議場???いやThe Angler's Club of New Yorkの倶楽部ビル

 狭い階段を上がると、格子のガラスドア。
 同行のChuck Neuner のノックでマネージャー(?)がドアを開け、私達を招き入れてくれる。
 緊張の一瞬。
 目線の5m先、長テーブルの向こうに写真で見た事しか無い現実のHoagy Carmichaelが笑顔で待っていた。
 室内は今迄経験した釣倶楽部のClub ハウスイメージとは大きく違う、高級レストラン風。
 先ずはHoagyと興奮の握手。
 6m x 2m の超長テーブル、釣り具のショーケース・ディスプレイが目を引く。
 300〜400平米位は裕に有るだろう倶楽部ルーム。倶楽部のミーティングや正式 Dinner Party 等がこの場所で開催されるとの事。
高級レストランかホテルのラウンジにフライフィッシングの
ショウケースを併設したと思って下さい。
名門釣倶楽部 The Anglers club of NewYork 


 窓際のソファーの促され、挨拶もそこそこに、会話が始まったと思ったらHoagy が早速私のロッドHEXAを見せてくれというのだ。
 その早い展開に戸惑いつつロッドケースから用意していたHEXA4本の内から、先ず得意の794 HF Special HEXAの2pcを繋がず手渡す。
Hoagyに渡した私の自信作794 Henry's Fork Special HEXA
7'9"  #4  2pc  Henry's Fork と Catskillの鱒が鍛えてくれた 

 受け取ったHoagyが繋がないまま、軽いね〜と驚嘆しながら、ブランクを仔細に観察していく。
 凄いエッジだねとChuckに話しかけ、私に微笑む。
 これはトンキン竹ではなく日本の竹?!WATAKE ね。
 そしてジョイント。
 ワオ!! なんて軽いんだ。更に数回素振り。
 私は素振りの間の彼の表情を観察しながら、残り3本を次々にジョイント。
 4本総ての素振りが終わったのは興奮している私にはあっという間だった。
 Hoagyが目を見開きながら私にThank you と微笑む。
 そして間髪おかず、Garrison 作のロッド3本見せてくれるという。やはりNew Yorker は都会的、スピーディで勝負が早い。

 本物の Garrison ロッド3本
 銘竿 209、そして209E、最後に212 。
 こちらは Garrison の名前に舞い上がっており、まだアクションを確認する迄の余裕が無い。それでも渡されるギャリソンロッドの現物を何とか見極めようと素振って見る。
 1回2回3回、そして自然に目がとじ、更に数回・・・・凄いバランス。持ち重りを感じない。ブレも無い。
 去年Per Brandinが同じ794 HF Special HEXAをキャストした時に言った言葉を思い出した・・・・ギャリソンの209を振ったときの感動を思い出す・・・これがあのギャリソン209か・・・。
 私の感動・感想をHoagyが聞かなくても分かるよと目で言っていた。
 私も最大限の賛辞を込めて、Thank you very much と微笑みで返した。

 再度HEXAの観察が始まった。Hoagyがポケットからアイルーペ(時計屋さんが細かい作業で使う、片目に装着して使うルーペ)を取り出し、それで、もう1度私のHEXAを細かく観察して、エクセレントを連発。
 特にブランクエッジの凄さと、グリップの先端の正円と下端の楕円を見て、どうやって作るんだという事になり、エッジはオイルフィニッシュでしか作れない事。
 グリップ成形は総てナイフで削り、最後にサンドペーパーで整えると言うと納得、スゲーといって褒めてくれました。
 HEXAのテーパー表を渡すとHEXAの最大の特徴ジョイント部の平行数値を一目で見抜きOKマークを指で示す。
 流石!!バンブーロッドの神様😁
 六角HEXAの説明に対し、又ルーペで観察、雌の70~74mmの長い巾のスレッド巻きとコーティング面のフラット部位に感嘆し、強度は大丈夫?との質問。
 このスタイルは日本の和竿の逆印籠継という考え方をヒントに製作、先端の六角ブラスチェックが完璧に強度を守ってくれるので心配ないと伝えると納得。
 更に4本のHEXAを再度素振り・・・どれも素晴らしい!!オートマティックにラインを運んでくれそうだねとの感想をくれました。
 又どれか1本6ヶ月程預けて置いてくれれば、雑誌にHEXAの物語を書き、The Angler's Club of New Yorkのメンバーに見せ、注文を取ってあげるよ・・・・との申し出。

 Garrison のアイルーペ
 更に先ほどのルーペを私に見てみろと言いながら渡すのです。
 促された私もレンズ越しに手の指紋を見てみましたが余り良く見えません。
 見ている間にHoagyが言うのです。
 Aki  このルーペは Garrison が実際に使っていた物なんだよ。これを君にプレゼントしよう・・・・と言うのです。
 驚くばかりで言葉が出ません。Chuckの顔を確認すると、無言で・・・やったじゃん!!貰っとけ!貰っとけ!と頷いているのです。
 本当に貰って良いんですか?Hoagyに確認。
 勿論!!とHoagy。
 驚喜の握手の上頂く事にした。

(帰国後調べた所イギリスのメーカーPICADOR社の物でもう現物は作ってませんでした。汚れたレンズ= Garrison の手垢だろう・・・を磨いた物かどうか、多いに迷いましたが、鮮明度が無い事から、2時間かけアルコールで汚れを取り、鮮明に見える様にしました。恐らくこれで Garrison が見ていただろう素晴らしいロッド風景がアキマルにも見えるかもです。イヒヒ)

 Hoagy が HEXA の写真撮影
 場所を長テーブルに移し、私の大好物のCrab Cake とワインでランチ。
 会話の中で、Hoagyが今欲しいと思っているロッドに非常に興味が有ると私。
 Hoagyのオリジナルテーパーで、私のHEXAスタイルで、私に1本作らせないかと提案すると、3pcは出来るかとHoagy。
 ティップが異常に細く無いならば出来るよと言うと、面白がってましたので、近々にHoagyのテーパーで3pcHEXAを製作する事になるかもです。
 そして食事後の極めつけ、事前に用意してあった白い布が被せてある別テーブルに移動。
 Hoagy自身がそのテーブル上にHEXA4本を飾り付け、彼自身が椅子の上に乗り撮影を始めたのでした。この光景に私もChuckも顔を見合わせ感動。
 Hoagyが書いてくれるだろうAKIMARU BAMBOO RODSとHEXAの書評、非常に楽しみにしている事を伝え握手。
撮影用テーブル迄用意されているとは・・・


 Hoagyの向こうにマスコミ関係や雑誌社のオーナー、The Angler's Club of New York のとんでもない金持ちメンバー等がアメリカ国内と世界中に居るので、又面白い事が始まりそうです。
 翌日の10月6日がHoagyの80歳の誕生日という事で今回は釣は一緒に出来ませんでしたが、次回の釣を約束して硬い握手で終わった、素晴らしい3時間でした。
夢の様な3時間があっという間に過ぎて行き、新しい物語を予感!!

バンブーロッドの神様、私のスーパーアイドルHoagy B.Carmichael

 PM3時半、NewYorkの町は連休中でとんでもないにぎわいでした。

 翌日からの1泊Catskill釣旅は水が多く釣が成立せず、セオドアゴードン倶楽部の連中と午後を過ごしHEXAを試投して貰い絶賛を受ける。
 PM 7:00 Beaverkill 川河畔のレストランに招かれ夕食を共にし、Henry's Forkの話で大いに盛り上がり、来年6月はHFで一緒に釣る事に。

 大都会 New York 近郊の鱒釣り
こんなCatskill ブラウンを釣りたかったのですが・・・
魚は数年前Catskillデラウェア川で釣ったオスの22"

ネイティブ鱒の天国・NY近郊のジンクリアのスプリングウォーター
14㌅〜16㌅がうじゃうじゃ、ドライフライで入れ食いでした。

 旅最終日、NY郊外、ロングアイランドのスプリングクリークで3時間だけ釣。
 大都会の直ぐ側に透明のスプリングクリークが何本も流れている。
  今旅で10人の鱒釣り New Yorker 達と出会えた時の印象がこのスプリングクリークの透明度と重なった。これらの命の川を大事にしているNew Yorker 達は皆クールに思えた。
 今回サポートしてくれた Chuck Neuner はNYのロングアイランドに在住の工業デザイナー。NY近郊のCatskill エリアでの釣旅は必ず彼にサポートして貰っている大親友の腕の良いバンブーロッドビルダー。来年は東北の日本の釣を私と仲間で案内する計画です。

 2018年12月のアキマル東京展示会でお披露目  
 今回New YorkでHoagyに見せた総てのHEXAをアキマルの12月東京展示会でお披露目します。ご希望の方は、是非会場で実際にラインを通し、キャストしてみて下さい。
 Hoagy B.Carmichael に見えたHEXAの同じ風景を貴方にもお届けします。