2011年5月25日水曜日

no.6 私のバンブーロッド


アメリカのフライフィッシングのメッカ、アイダホ州の名流ヘンリーズフォーク、朝晩の冷え込みはまだまだ厳しいのですが、今年の釣シーズンがいよいよ本番を迎えます。
 アキマルは6月19日20日ヘンリーズフォーク河畔で開催されるバンブーロッドの大イベントHenry’s Fork Bamboo Rod Day’s 2011」から招待を受け参加してきます。


 去年までのヘンリーズフォーク旅は、マイク・ローソンやレネ・ハロップ、同行の友人達とバンブーロッドでヘンリーズフォークのマッチ・ザ・ハッチの鱒釣を楽しむ事。そして自作の鱒竿をテストする事。ですが今年はちょっぴり違います。


 このBamboo Rod Dayのイベントに参加してアメリカのトップビルダー達のロッドレベルの検証を考えてます。といっても日本国内外を含め他のビルダーに一切興味の無かった私は、ビルダーの名前を殆ど知りません。どのロッドが良いのか、誰が有名なのか、はたまた昔の名竿と言われて来たロッドがどんな感じなのかそれを含めて知りません。
 
良いも悪いもバンブーロッド製作を始めて約25年、自分自身の感覚だけが総てでした。数年数10日のフィールドテストを自分自身で繰り返した結果で、アクションを決めて来て今日のアキマルがあるのです。ですからこの6月のイベントは他の有名ロッドビルダーのロッドが振れる事、もしかしたら其のロッドを使って、実釣も出来るようなので、冷やかし気分で、今後の制作上何か参考になれば儲けものかなとちょっぴり楽しみなのです。


 私のロッド感は、其のロッド想定最大の大鱒を取れた上での感想でしか成立しません。


 皆さん素振りして「良いですねー」と褒めてくれます。ラインを通してキャストして「素晴らしいですねー」と言ってくれます。私もそれを聞きうれしくなります。でもそれだけでは其のロッドの真価を理解して頂けたとは思えません。そこで日本全国各地やアメリカに旅してお客様や友人達と一緒に釣りをし、実際に釣で使ってもらって納得して、そこで「凄いロッドですねー」と褒めていただくのが最大のビルダーの喜びと思っています。


 話がいつの間にかずれて来ましたので話題を元に戻します。今回のBamboo Rod Day は他のビルダーのロッドを使って楽しめるそうなのです。そこで、私の持っている数少ない過去の情報の中で、良さげに思えたロッド何本か存在しましたので、其の人達のロッドが試せれば面白いナーと思っています。


 でもヘンリーズフォークに行ってしまうと駄目かもです。今この原稿を書いているのは
自宅。ヘンリーズフォークの流れのメイフライやカディスのダンスと大鱒の静かなライズを見てしまうと他のビルダーのロッド検証など吹っ飛んでしまいそうで……。でもそれはそれで良いのです。


 なぜなら今日までの数十年間、アキマルのロッドデザインは流れの中の大鱒達が総て教えてくれた訳ですから。彼等以上のロッドデザイン・アドバイザーは居ないのですから。


 アキマルロッドデザインはやっぱり私と大鱒君とのやり取りでしかか決まらないのですから。私はワタシ。かもめはカモメ。他のビルダーのロッドはやはり私には関係の無いのかもです。