「第2回 現代のホロービルト・バンブーロッド展」は大成功で3日間の幕を閉じました。
今回のアキマルの目玉は、前回の10DAYSでご紹介した新機軸バンブーロッド、6角スピゴットバンブーフェルールロッド。
スリップオーバーのバンブーフェルールロッドもお客様に御見せしても恥ずかしくない仕上がりで用意していたのですが、迷ったあげく展示したのはスピゴットバンブーフェルールロッドのみ。
ロッドとしての機能性はどちらもフィールドテストクリアー済み。最終決定要素は其の美しさ。
スリップオーバータイプはメス側のジョイント部位がどうしてもオスブランクより太くなり美しく無い事。
それに較べスピゴットタイプはジョイント部のブランクがオス、メス、同じサイズで繋がり、
バットからティップへ6角のブランク面が一直線で走り、美しい事。
2つのバンブーフェルールだけでの比較は美しさの点でスピゴットタイプフェルールに軍配。
では機能的に大きな問題は存在しない金属フェルールにも関わらず、バンブーフェルールを開発した理由、
それは・・・。
従来の金属パイプフェルールの場合、ブランクをつなぐジョイント部素材が竹より強い金属である事、
さらにブランクより一周り太い金属パイプは竹ブランクより物理的に強い訳で、キャストの際竹のTipブランクから
下りて来る曲がりが金属ジョイント部でONEクッション置かれ、竹のバットブランクに伝達されるのだ。
この時金属ジョイント部は竹より強い事からロッド全体のブランクのベンドカーブは、ジョイント部のみ直線で
残っている。これは金属ジョイントを使う上で物理的にしようがない事なのだが・・・・よりスムーズな
力の伝達を考えたとき、この部位をブランク本体同じ強さのバンブー素材で形成してやればと考えるのが一番自然なのだ。
そこで先ず金属フェルールを使ったロッドでベストアクションの物があったとしよう。
其のロッドとお案じテーパー通りにブランクを作り、ジョイントだけ金属パイプフェルールをスリップオーバータイプのバンブージョイント
にかえた時、アクションはどうしても、もったりとしたスロー感が増した。金属ジョイントロッドと同じアクションの切れを
探して行くとブランクは太くなり、バンブージョイント部の外見もますます太くなり、美しいバンブーロッドと言う
私の基本概念からどんどん離れて行く。
私の美的概念のギリギリ許せる太さとサイズの所でアクションのベストを探り7’4”#4の2pc は完成。
しかしどうしても納得は行かなかった。
金属ジョイントロッドが作っていたシャープなアクションと①最低同等、もしくはそれを上回る要素、②美しさなのか
③強さなのか、はたまた④其の両方を備えたジョイント、結果がそうならなければ、私が敢えてやる意味は無い。
当然ベストの④を私は試行錯誤した。
そこでたどり着いたのが上記、ブランク6面がバットグリップ上からティップトップまで直線面で続く6角スピゴット・
バンブーフェルールロッドである。メスはホロー作業時表れる6角の穴を使い、オスはそのサイズに合わせた6角の竹ブランク、
其の中に必要な強さを持ったパワーシャフトを内蔵。金属パイプより当然径の細いシャフトは、竹ブランクの自然なアクションを
必要以上に阻害する事無く、其のロッドのキャストと対象魚取り込みに必要なパワーを備える事が出来たのである。
フレキシブルボードで18号のおもりをつり下げ、ブランクのカーブを比較較、金属パイプフェルールの直線の後ろに、
6角スピゴットバンブーフェルールはティップブランクのカーブの自然さを消す事無く、ジョイント部位も滑らかなカーブを
描きバットブランクのカーブと繋がったのである。
フィールドテストや2kgの重りを使ったパワーテストも終わり国内用YAMAMEロッドは、発表と同時に会場で先行オーダーを開始、
会場で現物ロッドを試投して頂き、数本のオーダーも頂いた。
来年5月、6月のアメリカでのフィールドテストとBambooRodDaysでのデモンストレーションの後ワールドデビューを
計画している。
6角スピゴットバンブーフェルール、アキマルはこのジョイントを”ヘキサスピゴット”(仮称)、シリーズ化を目指すつもりです。
来春3月のアキマルNEW ホームページで先ず日本で発表致します。具体的なロッド像は今しばらく御待ち下さい。
最後に今回の展示会風景は、次回10DAYSに掲載させて頂きます。
2013年展示会のお知らせ。
2013年展示会のお知らせ。
来年2013年の第3回現代のホロービルト・バンブーロッド展は、より内容の充実した展示会を目指します。
会場は今回と同じ東京渋谷表参道のアートギャラリー”ギャラリー ニ モード”で、11月最終週の金、土、日のスケジュールで
開催予定です。どうぞ皆様遊びにいらして下さい。