2021年11月1日月曜日

鱒談会2021

  鱒談会 その1

 岡山の管理釣り場で、バンブーロッド/ 鱒釣り談義で、秋のオフ2日間を楽しんだ。当然バンブーロッドも実際の流れでキャストして貰った。ちなみに会の名前は「鱒談会」

 この日は、通常の芝生の上や室内体育館での試し振りとは違い、実際の流れにラインを投げて、水面からのピックアップや、風の抵抗が絡んだプレゼンテーションなど、釣り現場で体感するロッドの反応は、使い手がロッドの性格や適応性・相性を知るにはベスト。楽しい、興味深い2日間だった。

 今回バンブーロッドビルダーとして気づいたのが、ロッドの中でも一番繊細な素材のバンブーロッドでも、大半の方が結構乱暴な扱いをされてるのが、僕の中では意外だった。右手だけのキャスト。ロッドのバットセクションを振り切るキャスト(振り切った後バットがバイブレーションを起こす程の振り切り方)グラファイトやグラスロッドのキャストとバンブーロッドのキャストは違うのだが、ほぼ同じ振り方をされる人が多く、これは意外だった。

 道具なんだからタフであるのが当たり前。バンブーロッドだってグラファイトやグラスロッドと同じ扱いが出来るのが当たり前・・・・・そうなんだろうか?私はそうは思わない。バンブーロッドは強さの中に繊細さを持った天然素材、やはりデリケートな部分を持った道具なのだ。

 1986年から私がホームグラウンドとして通い続けているFF釣りのメッカ、アメリカ、アイダホ州のHenry's Fork。ここで繰り広げられるドライフライマッチザハッチの大鱒釣り。常に吹く強風の中、ドライフライだけで、自作のバンブーロッドで35年以上釣って来た。故にバンブーロッドの投げ方や扱い方、魚の捌き方はこの30数年の経験から、少しは分かると思う。

 今回この鱒談会後、私なりに考えた。バンブーロッドビルダーの私の役目は、バンブーロッドの正しい扱い方を伝えていくべきだと・・・・・・オフシーズンからバンブーロッドのキャストと実際の釣りを、アキマルロッドのお得意様や、バンブーロッドの釣りに興味のある方にその実際を伝えていく事にした。

●バンブーロッドキャスティングチェック   

バンブーロッドのキャスティング。バンブーロッドの取り扱い方。バンブーロッドの釣り、をお伝えします。◉ご希望の方はお電話なりメールで事前申し込みをして下さい。日時やご持参道具を打ち合わせます。◉オフの2月末日までは、会場は福岡のアキマル工房の近くの室見川河畔か、近くの芝生公園で行います。3月初めからは岡山のアサヒ川の実際の流れで行います。

◉参加料は無料。1回最大3名までで締め切り。

●お申し込み電話番号 090-8393-2427      ●お申し込みE-Mail   akimaru.rods@gmail.com



 特に、まだ何色にも染まってない若者のフライマンには夢のあるバンブーロッドの釣りと将来に希望の持てる日本のフライフィッシングシーンを残す事にエネルギーを使いたいと思うのだ。

鱒談会 その2

 私の釣りはトラウト・フライフィッシング。対象の鱒が存在して、鱒が存在可能な川があって、その上で成立する鱒釣りや山女魚釣り。しかし地元九州に置いては、フライフィッシング対象の山女魚川が、数多く潰れてしまっている。地球規模での毎年の台風や大雨などの風災害、河川はズタズタにされ、社会生活もままならない河川の悪状況が連続する状況下で、山女魚川の再現などとても言えないのが現況。その事を知っている九州の釣り人は、釣り可能な他地域山女魚・岩魚河川は神様の様な、心の拠り所的存在。当然大事に永続して欲しいと願う。ホームのないサッカーチーム同様、釣りが出来ない事=0=ゼロの侘しさと悲しさをを知っているからである。

 今回の鱒談会の約1ヶ月程前、会場となったこのアサヒ川で、非常に面白い動きが始まった。

 始めたのはアサヒ川の常連釣り人 30代の Tさんと彼の仲間達。その昔この川には蒜山梅花藻という美しい水草が繁茂していたのだが、ここも九州と同じ、近年の大雨多発によってダムの大規模放水が続き、既存の群生が流されてしまい、釣り対象上流域で梅花藻の量がめっきり少なくなった。流れの景観も夏は水温や水量、水質の関係からか、黒い珪藻がはびこり、対象の渓流魚の餌も少なくなってる様子なのだ。そこでTさんが始めたのがアサヒ川下流に現在も自然繁茂する梅花藻を刈り取ってきて、上流水域に梅花藻を移植させる事を始めたのだ。作業は刈り取ってきた梅花藻を流されない様に石で押さえて水底に固定する。移植して約30日、石をどけて見ても梅花藻は着根しているとの事。






 梅花藻が戻れば単純に魚の餌である川虫が増え、魚に元気が出る=釣りが面白くなる。プラス川の中に梅花藻の花が咲き乱れ、地元の産業である温泉観光客の目も楽しませる一石二鳥ならぬ、もしかしたら五鳥位になるかもなのだ。釣り人だけでなく地域の人たちでも簡単に出来るこの梅花藻移植作業、これは地元住民の小さな協力で、地元の川を昔の本来の姿に戻す事の出来る、素晴らしいアイデアである。

 全国の川に梅花藻が増えていけば、魚が増え、川の景観も良くなる。こんな希望に溢れた夢を若いフライフィッシャーが教えてくれた。

 この老体ももう少し頑張って、美しい梅花藻の川で、バンブーロッドでマッチ・ザ・ハッチのドライフライ釣りを楽しみたいと思っている。


AKIMARU BAMBOO RODS

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Email  akimaru.rods@gmail.com
Cell  090-8393-2427