7'9" #4 2pc & 3pc HEXA プログレッシブアクションの考察
今日はアキマルが通常行っているアクション決定作業の一つ、ロッドのベンドチェックの様子を写真でご紹介です。
出来上がったロッドブランクに、ある一定の負荷(重り)を掛け、そのベンド(曲がり)を確認する作業で、まずそのベンドの描くブランクのカーブをチェックします。そのカーブがTip Topからロッドエンドまで滑らかなカーブ、美しいカーブを描いてくれるのがポイント。優れたバンブーロッド=美しいロッドベンド、アキマルはそう考えます。
まず最初の写真が 794-2 HF-Special 7'9" #4 2pc Henry's Fork Specialのロッドベンド。このロッドは旧タイプのメタルフェルール仕様です。アクションは同等モデル794-2HEXAと同じです。
今日お見せする以下の写真ロッドベンドが、アキマルの典型的なプログレッシブアクションです。
2番目が 794-3 HEXA / 7'9" #4 3pc Henry's Fork Special のロッドベンド。1番目のベンドとの違いがお分かりになりますか? 如何です?
3番目は、2番目の794 -3 HEXAを部分でアレンジした別アクションの794-3 HEXA / 7'9" #4 3pc Henry's Fork Special です。
2番目の794-3 HEXA と3番目の微妙な違いは皆様にも、お分かり頂けると思いますが、如何でしょう?
まず1番の794 2pc が10数年掛けて完成させたHenry's Fork Special。この旧モデルは 現行の794-2 HEXA Henry's Fork モデルと同等のベンドです。Henry's Forkの現場でも20" オーバー鱒のマッチ・ザ・ハッチの釣りをしっかり楽しめるアクションがこのベンドです。
2番目の3pcはこの1番目2pcの完璧なアクションをそのまま3pcでも表現したく、2pcのある部位テーパー値を変更し、3pcの良さ=ロッド中央を曲げれる特性を上手く引き出しつつ、2pcと同じロッド性能が出る様にデザインました。その基本思考から、テーパーを部分変更して、ロッドベンドは2pc とほぼ同じ曲線を描く様にデザインしています。
ロッド性能、パフォーマンス能力はHenry's Forkやアメリカ の広い空間で釣る事をベースに、対20" 鱒から24"鱒までを6x 5x 4x でランディング出来る様にデザインしました。1番の794 2pc とほぼ同じロッド性能を持っています。
3番目3pcと2番目3pcののベンドの違いはお分かりいただけますか?
微妙な差ですから写真からは判断が難しいかもですね。
3番目のTip Topの位置が2番目3pcより2cm程低い位置まで下がってます。
2番目の3pcの一部分のテーパー値を意図的に僅かですが変更し、狙い通りのロッドアクションに変化させました。
この僅かなテーパー値変更によって3番目の3pcの方が2番目3pcよりも2mほど近場を投げやすく、より正確なキャストを出来る様に、本の少し変化させたのです。
ほんの少しの変化ですが、ロッドの性格ははっきりと差別化出来ました。
Henry's Forkの様な広い川で、ある程度離れた距離から投射した方がいい場合には1番の2pcと2番の3pc がドンピシャでハマります。
アメリカのLong Islandのスプリングクリークや日本の平均的な渓流サイズの様な、あまり大きくない川での大鱒釣りには近距離を正確に投げれ、尚且つ24"までを暴れさせず、確実に取れる強さとしなやかさを持った3番写真ベンドの3pc の方が使い勝手は良いと思います。
この使い分けに拘るのがアキマルのロッドデザインです。
各言うロッド論は全て、釣りの現場で鱒達が教えてくれた事の積み重ねです。
人生の最高の楽しみトラウト・フライフィッシングを下手なバンブーロッドで無駄にしないでくださいまし😎