「アキマル30年の相棒」 は12月30日までお休みです。
Because 12月初旬 東京表参道のアートギャラリーでアキマルバンブーロッドの展示会をやるからです。
そこで改めてアキマルバンブーロッドについての自慢話を、今日から4回程、事細かに、くどくどと書いていこうと思います。これを読み終わったら、貴方はバンブーロッド博士に成っているでしょう。
まずはアキマルバンブーロッドの竹素材とホロービルトについて。
アキマルが使用する竹素材は世界のビルダーが使っている中国製トンキン竹とアキマルのオリジナル日本竹、超美のWATAKEの2種。2006年以降、製造方式として総てのアキマルバンブーロッドにホロービルト方式を採用、それまでのソリッドロッド製造を中止しました。
アキマルが採用したホロービルトはダム式、インターナルテーパーのセミホロービルト。
インターナルテーパーを作り出す、ホロービルト竹肉抜きのピッチ(竹肉の抜き幅)で
アクションは変わります。竹肉を抜いた後のブランクの壁厚をベスト値でデザインします。
又ブランクの強度を決定付けるダムの位置と厚さはアクションに大きく関わっています。
ブランクのアウトテーパー+インターナルテーパー+ダム、この3要素の組み合わせでロッドアクションの良否のほとんどが決まります。
●アキマルバンブーロッドはキャスティング時、持っている事を感じさせない。釣人の力で投げるのではなく、ロッドが勝手に美しいラインを飛ばしてくれます。 神奈川Y氏
●手の延長線上にロッドが繫がっているようで、狙いのスポットに、フライを指でつまんでそっと置く様な感覚でプレゼンテーションが出来ます。 米国サンフランシスコH氏
●アキマルWATAKEロッドはまず軽い事、しなやかさの中に強さを秘め、ラインを自在にコントロール出来ます。 東京S氏
●アキマルバンブーロッドは大物を掛けた後、バレがない事、ロッドが勝手に魚をよせてくれます。 福島 A氏
これらの釣人の使用感想が、まさしくアキマル“ホロービルト”バンブーロッドの狙っているホロービルト効果です。
ソリッド式バンブーロッドはブランクの重さでロッドを曲げるのが特徴。ホロービルト・ロッド(以下HBロッド)は其のホロー構造(中空構造)がロッドアクションを作ります。ブランクの中に作り出された空洞は、細長い楕円(薬のカプセルの形を想像してください)。キャスティング時、ブランクが曲がり、この楕円空洞が扁平型になり、ブランクが元の直線に戻る時、扁平楕円も物理的に元の正円に戻ります。この戻りの力がHBロッドのアクションを作ります。この力の強弱がロッドのアクションです。
ブランクの中肉を抜く事で、同じアウトテーパーデザインで作ったソリッドロッドと較べ、ロッド重量はトンキン竹の場合10%~15%軽くなります。更に素材を超美の日本竹WATAKEに替えると更に10%軽くなります。例としてトンキン竹で作った7’9”#4のソリッドロッド・トラウト用は125g有りましたが、現在のアキマルのHBロッドだと同じデザインで103g、パーツを厳選していくと83gまで軽量化する事が出来ました。この83gのトラウトロッドは今年米国ヘンリーズフォークで開催されたバンブーロッドイベントで、ペア・ブランディンをはじめとする全米トップビルダー達に絶賛されたました。
とりわけトップビルダー、ペア・ブランディンをして
「アキマルWATAKEロッドの様に、キャスティング時、手に持っている事を感じさせないロッドこそが素晴らしい」と言わしめたロッドがこの83gのトラウト用WATAKEロッドです。持っている事を感じさせないと言うのは単にロッド重量だけでなく、ロッドのデザインバランスなのです。83gより軽いロッドでもキャストしてみると重く感じるロッドは沢山あります。よく出来たロッドはバランスが良い事から持っている事を感じさせないのです。
ペアの話に戻りますが、さすがです。超美の日本竹WATAKEがHBバンブーロッドの最適材で有る事を、その場で見抜きました。
竹はバンブーロッドを作る上で一番大切なパワーファイバーが表層に集中しています。
WATAKEのパワーファイバーはトンキン竹と較べ、硬くて細いファイバーがより薄い表層に密集しています。其の分トンキン竹より、多くの竹肉(ピスと呼ばれる部位)を抜き取る事が出来ます。WATAKE はトンキン竹よりしなやかなバネを持っています。強いトンキン竹に対し、強さの中にしなやかなバネを加えたWATAKE と言う表現がぴったりだと思います。ヘンリーズフォークのスーパースター、マイクローソンは先記7’9”#4ロッドで61cm のレインボウを取りました。私も北海道で同じタイプのロッドで63cm
を5Xティペットを使い3分弱で取りました。
ペア・ブランディンが更にうれしい感想を言っています。
「WATAKE は100年続いてきたトンキン竹を凌ぐかも知れない」と。
今彼がWATAKE 素材を使い、彼のテーパーでロッドを作っています。どんなロッドが生まれてくるか、興味深々です。
WATAKE は正確に言うと真竹ではありません。普通の真竹はやわらか過ぎ、もろく、アキマルバンブーロッドでは使えません。WATAKEはある特定の地域に自生する真竹の亜種です。この素材を、名人技を持った竹職人に、オリジナルの加工方法で作って貰ったHBバンブーロッドに最適な超美の日本竹、それがWATAKE です。
日本のバンブーロッドの新しい頁がWATAKE によって開かれる予感がします。
次回の授業は11月10日です。