前回はホロービルトロッドについてお話しましたが、今回はアキマルが考える本物のバンブーロッド=良く出来たバンブーロッドについてお話します。
まず少し前回と重なりますが、ホロービルト・バンブーロッドには、ブランク全体を中空にしてしまうフルホロービルト・スタイルとアキマルが採用しているダム式構造のセミホロービルト・スタイルが有ります。
フルホローはグラファイトロッドの中空構造と考え方は同じです。
セミホローのダム式構造は自然の竹の構造を想像して貰えれば分り易いと思います。
自然の竹は暴風雨に対しても折れないのは、竹節を持った中空構造と竹ポールの太さと長さのバランスに其の理由が有るのです。
更に、化学繊維の中空グラファイトロッドと決定的に違うのは、やはり其の竹素材が持つ、しなやかさの中に有る強さとバネです。
竹棒とグラファイト棒を曲げていくと、ある点でグラファイトは折れてしまいますが、竹棒は更に曲がり、折れません。手を放すと元の直線に戻ります。それが竹素材の素晴らしさなのです。例としてよく出来たバンブーロッドのティップはティップトップから10cmの間でも微妙に曲がります。この曲がりが山女魚の細かい、鋭角的な動きにもついて行きます。其の為にバレも少ないのです。
言い変えれば、この部位が曲がって魚の動きに付いて行くロッドが釣の道具として優れていると言えるのです。
下手なロッドはこのトップから10cm間が張ったままで曲がらず、魚の細かな動きに反応出来ず、ロッドが跳ね、
バレが生じます。
よく出来たバンブーロッドは魚を掛けた後、ロッドを立てているだけで、ロッドが魚を寄せてくれます。
釣人が腰を落とし、ロッドを後方に反らし、釣人の力でしか魚を寄せられないロッドは、感心出来ません。
投げて気持ちの良いロッド。まずこれが最初の判断基準です。
持っている事を感じさせず、ロッドの曲がりのタイミングにあわせて振ってやるだけで、近距離から必要な長い距離まで、美しいスラックの無いラインをロッドが飛ばしてくれます。これが良いバンブーロッドの基本です。これがまずチェック出来たら、次に其のロッドの対象魚のレギュラーサイズからから最大サイズまでの魚を上手く取り込めれば、そこで釣竿としての仕事が完結。それが出来るロッドが本当に良いロッドなのです。
キャストは最高だが、魚を寄せられないでは、良いロッドとは言えません。逆も又しかりです。
無駄なブランク肉とオーバーパワーのロッドは魚は寄せられてもキャスティングが楽しくありません。
更によくありがちな、対象魚が小さな山女魚だからといって、柔らかすぎるベナベナ竿もいけません。こんなロッドは往々にして細身の為、確かにロッドウエイトは軽いのですが、キャスト時に持ち重りを感じさせます。
持ち重りを感じさせず、美しいラインが延び、狙いの最大魚をスムーズに取り込める
バランスの良いバンブーロッドが本物のバンブーロッドです。
12月9日から11日の3日間、東京表参道のアートギャラリー“ギャラリー ニ モード”
で『現代のホロービルト・バンブーロッド展』を開催します。
会場でよく出来たホロービルト・バンブーロッドを展示します。是非遊びにいらして下さい。
次回10DAYSは11月20日です。