2021年8月18日水曜日

本物の予感

 今年に入って、嫌、去年の後半から本物を予感させる若者達に出会っている。

 本物って何?って言われると、中々に難しいが、私のいう本物とは、生き方や考え方、生み出した記録や優れた物での判断を指して本物と言っている。但しこの基準はあくまで、私の基準である。

 一人は釣りの飲み会で出会った谷澤君、そして彼が案内してくれた釣り場で出会った塚田兄弟。

 谷澤君に連れて行ってもらった釣り場に、今年はロッドテストを兼ねて、何度も足げく通っている。彼と出かけると谷澤君のガイディングも素晴らしい事から、とんでもない良いサイズの美しい鱒が必ず釣れる。その結果、的確なロッドテストが行える。当然ガイドの谷澤君の釣りは名人級、私同様ライズの釣りしかやらない。ロッドの感想もプロ顔負けの適正感想をくれる事から、新感覚のアキマルロッドが生まれている。その釣り場で、私が取り逃した大物鱒(私の毛針をつけたままの)を塚田兄弟の弟・哲也君がその翌日ランディングして以来、縁を感じて、仲良くしてもらってる。最初は谷澤君を通じて、塚田お兄ちゃん・大樹くんがHenry's Fork釣りの話を聞きたがっていたのだが、先に大鱒が弟君に引き合わせてくれたという訳だ。この兄弟が又釣りがめっぽう好きで、好きな分だけプロ顔負けにライズの釣りが上手い。この3人といると釣りの話が永遠と続く、というか釣りの話しかしない。

 秋丸修一 72歳、谷澤君が44歳、塚田お兄ちゃんが27歳、哲也君に至っては25歳。若い。だが全員が釣りに関する限り、ベテランの話内容になる。だから話してて飽きない。鱒釣りが毎日のエネルギーとなり、人生の一部になってる事を、若者3人から間違いなく感じる。この度合いで釣りが進むと人生、私の様に狂うかもしれない嬉しい予感すら感じる。当然彼らからはバンブーロッドに関する質問や感想が次々と私に浴びせられ、釣りは知っててもバンブーロッドは初心者の彼らに説明するのが超大変なのだが、これが又楽しい。

 そのバンブーロッドでかっこいい男が現れた。東京から北海道に移住までしてバンブーロッド・ビルダーをやってる望月雄太。敬称は省く。私の竹竿塾の教え子だから。

 バンブーロッドメーカー YUDAI MAKER   の望月雄太                                  

  北海道がホームグラウンドの雄太、年間に取っている大鱒の数が尋常な数ではない。Henry's Forkの主、レネ・ハロップが北海道に来て釣ってるのと同じ様な事だ。週に数回、多い時は毎日、家を出る時、子供達に約束があるからと言って出かけるそうだ。約束とは大鱒のライズ時間で、大鱒とデイトの約束なのだ。良いね!!

 竹竿塾を卒業したての時は、アメリカに一緒しても、釣りも覚束ず、心底大丈夫かいなと思いつつ、彼が北海道に移住してからは、私は続けていた北海道行きを辞めた。彼も思うところがあったのか、連絡が途絶えていった。そうこうするうちにあっという間に6年?以上経った。 

 2020年コロナ騒動が始まり、私が34年間、毎年欠かさず続けていたHenry's Fork釣旅が初めて中止となった。6月初めまではなんとかストレスを我慢してきた、しかし6月末には精神状況は最悪、完全な鬱である。見かねた友人が北海道の鱒釣りに誘ってくれた。私は一発で北海道フライに食いついた。その10月、5年?6年?ぶりに雄太に再会。最初は二人ともぎこちなかった。その上5年の成果であるはずのバンブーロッドを私に見せないのだ。それも相まって、今一つしっくりしない状態で、次はロッドを見せろよという事で帰福岡した。

 そして今年6月、雄太と再会。今度はロッドを見せた。私も最大限意地悪なチェックをあらゆる方向からやってみた。30分以上ロッドを振り続けた、しかし言葉にするほどの欠点を見つけ出せないのだ。

 大鱒を掛け続けているのが分かるアクションだった。軽快な中にもシャープな、そしてしなやかな粘りを持ったアクション。大鱒が取れるランディング性能も確かだった。会わなかった数年の中で、彼がこの7'6"  4番  2pcのセミパラボリックアクションを、大鱒を掛け続けて、練り込んで作りあげていっただろう光景が私にはハッキリと見えた。本物のトラウトロッドがそこにあった。加えて雄太の生き方もそのロッドに見えた。

 私は今まで他人が作ったバンブーロッドに全く興味が無かった。唯一友人のPer Brandinのバンブーロッドは凄いと思え、欲しいと思ったが、それ以外のロッドにはほぼ興味を覚え無かった。ましてや日本人ビルダーの作った興味のバンブーロッドは皆無だった。その私が初めて欲しいと思える他者の作った、しかも日本人のバンブーロッド、それがYUDAI MAKERの764 だった。

 一瞬、北海道で大鱒を釣り続け、結果この素晴らしいロッドを作りあげた望月雄太にジェラシーさえ覚えた。しかし、教えた事が誇りに思える傑作、本物のトラウトロッドも其処にあった。

 まずはお尋ねあれ。見て損はないですよ。YUDAI MAKER 望月雄太の764。ロッド詳細は直接彼からお聞きください。

 http://yudaimaker.jp/   

 写真は50cmオーバーの大鱒を雄太が掛けた。一切ストレスの無いパーフェクトベンド。このベンドに彼が人生を賭けているのが見える。彼の作り出すロッドに本物を予感するのは私だけでは無いでしょう。

YUDAI MAKER 764 、アキマルの一押しです。



 先日から谷澤君、塚田兄弟がバンブーロッド制作に興味津々の様で、オフに工房を訪ねて来るとの事。彼らが釣りと同じレベルの情熱でバンブーロッドを作っていったら、間違いなく世界を相手にできる本物のロッドが出来る予感がする。教えたいね。

 雄太、次回作は少しは粗を見せてよね。それぞれの立場ってものがあるんだからね😁

 若者よ未来の日本のトラウト・フライフィッシングとバンブーロッドを頼むぜよ!!


AKIMARU BAMBOO RODS

http://www.akimaru.jp
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