2023年7月10日月曜日

2023 Henry's Fork 旅  その2

  セレンディピティYvon Chouinard

 (修正です。前回 10DAYS で3年ぶりのHF旅と表記しましたが、4年ぶりの間違いでした)

 6月19日  Th Bamboo Rod Days 2023 初日後半、ハイライトは矢張りYvon だろう

 1980年代、日本Fly Fishing のパイオニア芦澤一洋をして日本のヨセミテと言わしめた宮崎県の巨岩、大岩が連続する山岳渓・鹿川をホームリバー とし、私が釣り狂っていた頃、大岩のヨセミテのロッククライマーとして憧れていたのがYvon Chouinard イボン・ショイナードやロイド・プライス。そのイボン・ショイナードが目の前にいる。

 数十年着込んでいるだろう、こなれて、少しくすんだブルーのジャケットとお約束のクライミングシューズ(この日私も同じKEEN のシューズでした😎)で現れた小柄な老人。去年?自分の持っている自社Ptagonia 株の全て4000億円相当を気候変動対策に当ててくれと寄付したのを聞いていた。

   Yvonを前にして、気持ちが昂って、上手い言葉が出ない。仲間のKyleがFly Boxを見せる。その開け方の仕掛けを説明するとYvonが  " WOW!! " と 軽く驚いた。私の得意 Rod 794 HF -Specialのアップロック構造の造作や藤巻きグリップを熱心に観察していた。加えてKyleがHEXAジョイントを抜いて見せた時のYvonの目が輝くのを私は見逃さなかった。彼の反応は総じて大きくは無かった。大袈裟に驚きを表現してくれる大半のアメリカ人達に慣れている私には、彼のその小さな反応は物作屋としては、ちょっぴり悔しくもあり、半面興味を覚える自分もいた。

 その昔彼はロッククライミングのピッケルなどの道具を作るクラフトマン。Patagonia創業前の彼は物作り屋、道具の肝に興味を持っているのは明確にわかった。

 私は敢えて聞いてみた?「ランディングネット は使わないのですか」「そうだね」ただそれだけ。この答えの向こうに彼の強固な自然保護、自然保全哲学を見た気がした。

 Yvonはランディングネット を使わない事で、鱒および魚の死亡率を低減させようと考えているのだ。リリース時 YvonはKetchum Release Toolを使い、魚へのダメージを減らす事に重きを置いているのだ。私にランディングネット を使わない釣りを全う出来るだろうか?・・・・?

 やはりYvon Couinard は今もクールだった。

 ◉参考までにKetchum Release Tool  は下記をご参照ください。

        

 84歳のYvon  今の彼の楽しみは、教える事だという。曰く『最高の道具、品質への拘り、どうすればよくなるかその模範を示し、導いていく事だ』と・・・・・納得。 

 74歳でBamboo Rod Bild の新しいタレント3人を見つけ出し、用途不全から捨てられている日本の竹山再生の模索を開始した竹竿屋にもその役割は分かる。恐らくこの出会いはセレンディピティ。又どこかの時点でYvonやKyle とつながる様な気がした。

 ・・・・それにしてもKyleのキャスティングの上手さとテクニックには感動した。アメリカ のFly Fishing世界の底力を見せつけられた思いがした。まだ彼は40台??日系4世の彼の存在感は半端なかった。私の竹竿屋の心が大きく騒いだ。近い将来、彼のロッドを作るだろう事を直感した。加えてこのBamboo Rod Days 参加者のキャスティング技術の平均レベルは日本のそれを圧倒していた。

 Ashton  爆釣

 この日の昼からAshtonに出かけた我がSlow Wading Sosial Club メンバーのご機嫌ショットをこの場でご披露。全員20" アップの大鱒天国だったとの事。釣りに行けなかった私はこの日のハイテンション夕食にはついて行けなかった😢








  Henry's Fork , Last Chance から車で30分のAshton 釣り。全員雨の後、爆釣だったとの事。
 シーズンの遅れが旅前の情報だったが、先ずは一安心。岸辺はブラウン、沖目の荒瀬がレインボウー。釣りの出来なかった私には、どうでも良い事なんですけどね。クッソー!!

 2023 Henry's Fork旅はまだ始まったばかり、物語はこれからだ・・・・・・・・・続く